月別記事一覧 2004年10月

「患者様」より患者さん

平成16年10月27日(水)
近頃病院で患者さんを呼ぶときに、「○○様」という言い方をよく聞く。以前はどこでも「○○さん」であったのがほとんどこの言い方になってしまった。医者や看護婦(看護師に呼び方が変わったようだが)はほとんどの場合「○○さん」と言っているようであるが、受付では「様」と呼ぶことが多くなっている。年配の人が新聞の読者投稿欄に、病院で「様」と呼ばれたらわざとらしく、違和感を覚えてイヤである、と書いていたがまさにそのとおりである。私自身が病院へ 行って受付で呼ばれるならまだしも、医者や看護婦から「様」と言われたら、この病院はうしろめたいことでもあるんじゃないかと思ってしまうだろう。学校の先生に生徒が「様」と言われたり、寿司屋のオヤジに客が「様」と呼ばれたりするようなもので、違和感を覚えるに違いない。
言葉は時代と共に変わって行き、皆が違和感を感じなくなればその言葉は定着したことになるので、将来は「様」になるかもしれないが、今は自分で違和感を感じない言葉を使いたいと思う。

いつもと同じ

平成16年10月25日(月)
昨日は広島市の当番医だったので一日中クリニックを開けていた。患者さんは普段より少ないため半分の人数で対応したが、非常に暇だった。いつも当番医のときは患者さんが少なく、広島市全体で平均1日10人だそうである。他の科は平均40~50人位だそうである。産婦人科の患者さんは、行きつけのところに行く傾向がつよく、妊娠関係はお産する病院がフォローするので当番医は必要ないのではないかと思う。
本日はいつもと同じでいいペースある。夕方交換前のパソコンのデータの入れ替えが終わり、ホームページの更新もできるようになった。とりあえず更新しておくことにする。

パソコンのいれかえ

平成16年10月20日(水)
とうとうパソコンを入れ替えた。問題はデータの移し変えであったがなにしろさっぱりわからないので、ホームページを作る時に教えてもらった専門家に頼んだ。都合もあって今週中にできればよいとのこと。したがって、ホームページの更新は来週以降になるだろう。ほっとしたようなさびしいような。
今週はいつもと比べて患者さんが少ないようだ。台風のせいかもしれないが、結局会合の後飲みに出た。今年は台風の日はすべて飲みに出たことになる。ご苦労なことだ。

濡れ手に粟の宝くじ

平成16年10月18日(月)
今日は汗ばむほどの陽気であった。またも台風が近づいているという。今年は台風の当たり年である。天災はどうしようもないが、人の努力でどうにでもなることはたくさんある。今、民営化が叫ばれているが一番簡単にできることがある。それは「宝くじ」の民営化である。
和歌山県で、宝くじの利益を使った議員の外遊が問題になっているが、驚いたことに和歌山県の1年間の宝くじの売上が95億円で必要経費が9億円、払い戻し が40数億円、お上がとりあげる利益(民間では「テラ銭」と言う)が40数億円だそうである。払戻金が半分以下とはあんまりではないか。
日本中どの宝くじも似たようなもので、庶民がなけなしのお金で夢を買おうとするのに、賭けたお金の半分とりあげるとは、ひどすぎる。競馬では払い戻しは8割だし、競輪や競艇も同様である。ヤ○○のばくち場でも7割以上は払い戻しをするという。なにより、これらのギャンブルは賭ける人を楽しませる努力をしている。それに比べて宝くじはどうだ。タレントを使ってテレビで宣伝するぐらいで、ほとんど努力なしである。まさに濡れ手に粟とはこのことだ。
「宝くじ」を民営化すれば9割払い戻しも可能だろうし、いろいろなイベントや楽しみも増えるだろう。だいたい「射幸心をあおるからギャンブルはよくない」といって民間には禁止しておきながら、宝くじで努力もしないで5割もテラ銭をとっておいて、その利益を使って大名旅行して恥じない厚顔無恥はどうしたこと か。
「宝くじ」は各自治体が、売上や必要経費、払い戻し率を毎年広く公表して一般の審査を仰ぐべきである。そして賛同を得られるように努力すべきだろう。最善の策は、お上は手をひいて民間にやらせることであるが。

ピル使用者の減少?

平成16年10月16日(土)
あっという間に一週間が終わってしまった。近頃の時間の速さはどうしたことだろう。つい先日も時間が早く過ぎることを書いたが、それにしても、である。どこか神経の回路がおかしいのだろうか。自分としては特別変わった事はなく、いつもと同じようにしているつもりなのだが。まあ、あまり深く考えないようにしよう。
最近ピルの使用の伸びが落ちているように感じる。当院は広島でもピルの処方が多い方なのであるが、いっときほどの増加はなくなりむしろ微減の印象がある。なぜだかわからないが。

パソコンの調子が良くない

平成16年10月14日(木)
パソコンのハードディスクの調子があまりよくない。動きが遅くいつ止まるか心配である。ソニーのVAIOなのだが、買って5年になる。動きが遅いのはクリ ニックのパソコンであるが、自宅で使っているのも機種はやや異なるが同じVAIOである。自宅のパソコンはある日全く動かなくなり、結局ハードディスクを 交換したら使えるようになったが、住所録など全部ダメになった。VAIOのハードディスクが壊れやすいのかそもそもパソコンの寿命はこんなものなのか。
なにはともあれ、早くなんとかしないと困ることになりそうである。

休日の患者さんへの対応

平成16年10月12日(火)
休み明けは体がすぐには仕事モードに適応せずいささかしんどい。当院は土曜日も夕方まで開けているので、連休は日曜と祝日が続く時だけである。もっとも最近はこの連休(月曜の振り替え休日をハッピーマンデイというらしい)がちょくちょくあるが。この貴重な連休の時はたまに広島を離れることがある。今回も広島を離れていたのであるが、一人心配な患者さんがいたので、もし何かあればいつでも病院を紹介できるように、紹介状と検査データを持参していた。幸い何もなかったのでほっとしている。
当院は分娩を扱っていないのでいいのだが、もしお産をしていれば広島を離れることは不可能で、そうしたいなら代わりの医師を当直に頼んでからでないとどこにも行けないのである。以前、小豆島の病院に勤務していた時は島から出るのは代わりの医師が来てくれた時だけであった。一度だけ、夕方から高松市で会合があり最終の船に乗り遅れてあせりまくって、島内で開業されている大先輩に何かあったらよろしくと連絡して快諾をいただいたことがあったが、日頃恐れ多くて普通ならそんなことを頼めるなんてできるはずもない大先輩に意を決してお願いしてしまった。あの時は、高松市内に泊まったのだが朝までよく寝られず、朝一番の船で島に帰ったが大いに反省した。
今はこのようなことはないので、精神衛生上おおいによろしい。ありがたいことである。

最近のHRT(ホルモン補充療法)

平成16年10月9日(土)
40代後半から50代にかけて、のぼせやほてり発汗などがおこって気分の落ち込みも見られるのを更年期障害というが、この治療にHRT(ホルモン補充療法)が行われてきた。以前から日本では漢方薬なども用いられていたが、いまひとつ切れが良くなかった。欧米では女性ホルモンを使用することにより、更年期障害の著しい改善がみられたので広く使用されるようになった。我が国ではホルモンに対してなんとなく拒否反応があったが、医師が勧めマスコミでも有用性が言われるようになると次第に広く使われるようになってきた。
ところが、最近米国と英国でおこなわれた大規模な検査で、長期間のHRTは乳がんになる可能性が2倍になるとの結果が出たため、HRTは短期間で使用するという申し合わせになった。ただし大腸がんは3分の2になり、骨には有効で総合的に見て寿命は変わらないとのことであった。
以前はHRTの長所ばかりが喧伝されて、おもに欧米で使いまくられていたのに一転してあまり使わないようにとのことだが、生命予後が変わらないのであればHRTによって症状が改善して快適に過ごせるなら使うべきだろう。

光陰矢の如し

平成16年10月6日(水)
一日の長さ、一年の長さは、それまで生きてきた長さに反比例して感じるらしい。つまり、3歳の幼児にとっての一年はそれまで生きてきた長さの3分の1であるが、50歳の人では一年は50分の1にすぎない。一年が早いわけである。だから歳を取るごとに一年が早くなると感じるのもむべなるかなである。
時間は常に一定の速度でながれていると思われていたが、そうではないとの理論を明らかにしたのはアインシュタインであった。さらに別の理論では、時間は物質の変化のスピードによって決まり、変化の激しい所では時間が早く進み、ほとんど変化のないところでは時間が止まっているに等しいという。都会では時間が過ぎるのが早く、田舎では遅いと感じるのはそのせいなのかもしれない。
本当の所、時間は実際に感じる感覚と現実に過ぎて行く速さの両方で変化するものだと思うが、このところ一年が早すぎる。困ったものだ。

秋晴れの日

平成16年10月4日(月)
久しぶりに秋晴れでいい天気である。やっと秋らしくなった。こんな日は仕事を休んで野山を散策してみたくなる。私の場合は散策などというものではなく、弁当とビールが必要であるが。きれいな湧水があればコーヒーを淹れてもいい。奥深い谷川のほとりで尺八を吹いてもいいし、寝転んで文庫本を読んでもいい。じつに気持ちの良い一日となるだろう。
現実には仕事を休むなどとんでもないことで、野山を散策するような気持ちの余裕もない。それでもそうしたいと思わせるような秋の日であった。