月別記事一覧 2004年8月

夏の終わりに

平成16年8月30日(月)
とうとうオリンピックも終わった。8月ももう終わろうとしている。台風も近づき、一気に秋の気配が濃くなってきた。まさに「祭りのあと」である。
昔から夏の終わりには物悲しさを感じていたが、こんな風に感じるのは自分だけではないようで、洋の東西を問わず詩や小説などにたくさんでてくる。中には祭りのあとのさびしさが嫌いなあまり、「祭りのあと」などは存在せず、祭りが終わった瞬間につぎの祭りに向けて準備が始まるので「祭りのまえ」しかないのだとこじつける著名人もいたが、やはり感覚的にぴったりするのは「祭りのあと」であり、宴が終わった満足感の混じったさびしさであろう。そう思うのはやはり人間が死すべきものだからだ。人生で例えると祭りは夏の盛り、青春期からの15~20年ぐらいで、あとは秋、冬となっていく。人生は後戻りできない。季節は繰り返すが、人生は盛の夏が過ぎれば秋、冬と続き二度と春に戻ることはないのだ。むろん、豊饒の秋は実りの季節だし、寒い冬でもそれなりに風情があるが青春の夏にはかなわないだろう。
こういうことを考えるのも、夏が終わろうとしているからだろうか。

老々介護

平成16年8月27日(金)
日差しもだいぶ和らいできた。暑い夏は我々はまだいいが、高齢になるとこたえると思う。亡くなった祖母はいつも「今年の夏は過ごせるかなあ」と言っていた。田舎の両親も元気だったのだが、最近母親が腰をうってあまり動けなくなり老々介護の状態である。今はまだ父親は元気なのだが、母親の介護に疲れてしまっている。今度の日曜に様子を見に帰る予定であったが、施設で何日間か見てもらうということで、今回は帰るなとのこと。いずれにせよ心配だ。このままでいいわけがない。兄達と話し合って最善の方法を考えなければ。

いい本だと思ったらすぐに買う

平成16年8月25日(水)
あの時あの本を買っておけばよかったと思うことがある。本が発売されている時はいつでも買えると思っているうちに、いつのまにか絶版となりいくら探しても入手できなくなるのだ。
欲しくなるのは自分の中で再評価された本であり、発売当時はそれほどいいと思わなかったのが次第に読みたくなって探すが、もうないのである。たとえば、1980年代 に学習研究社から出版された「山本七平対話集」。全部で10巻以上あったと思うのだが、1巻だけ買ってあとはいつでも買えると思っているうちに絶版となっ た。今読んでも当時の旬の人達との対話が面白く、ひとかどの人物は時代を超えて素晴らしいと思う反面、後になって評価に値しないことがわかった人物もいて面白い。
半村良の「太陽の世界」も確か18巻まで発売ごとに第1刷本を買っていたのだが、やや冗長になった感じがありやめていたらいつのまにか絶版になっていた。もっとも調べてみたら18巻までしかなく、未完のままだそうなのでいつかは続きが出るだろうと思っていたら、作者が亡くなってしまった。もともとストー リーテラーとしてすばらしい作品を多く書いており、「太陽の世界」は全100巻の構想であったというから期待していたのだが。
1970年頃に「サラリーマン丸儲け自伝」を書いた岡部寛之の本も、見当たらない。人生を徹底的に合理的に生きて、株でひと財産つくり株指南の本など多くの著書があったがどうなったのだろう。「70歳を過ぎたらヨーロッパなどに放浪の旅に出て、そのまま野垂れ死にするつもりである」と書いていたからそうなっているのかもしれない。なにしろ生きていれば90近いはずである。
他にも欲しかった本がなくなった経験から、今は欲しいと思ったらできるだけ躊躇せずに買うようにしている。おかげで本の置き場所に苦労する。

ダイエット考②

平成16年8月23日(月)
ダイエットの続き。
ダイエット食は3ヶ月が限界でそれ以上は難しくなるという。3ヶ月だから頑張れると言える。この期間は砂糖菓子は止める。おやつは果物を少量にする。油の使用は極力おさえ、食前にキャベツなどの生野菜をどんぶり一杯10分かけて食べる。ご飯は茶碗に3/4杯でたんぱく質70グラムに野菜を多く取る。運動は毎食後15分より20~30分散歩をする。カロリー摂取量は男性で1500Kcal、女性で1200Kcalにすると1ヶ月で2~3kg減り、3ヶ月で 6~9kgの減量になるそうである。
ここまで書いて実際に減量をするとなったら大変だと思った。なにしろビール飲めないし、うまいつまみも食べられないからだ。おまけにキャベツをたくさん食べて食後に散歩だと。おまえはヤギか。私は今の所減量する気はさらさらない。頑張ってみようと思う人はやってみたらいいと思う。

ダイエット考①

平成16年8月20日(金)
ダイエットの話。
日本人と欧米人では肥満の程度が違うようだ。日本人で超肥満の人はあまり見かけないが、欧米人(ハワイも含む)の肥満はケタが違う。コニシキを見よ、曙を見よ、太りすぎで動けなくなって部屋から出られないためにクレーンで運び出される人をアメリカのローカルニュースで時に見かけるぐらい、あちらの肥満はすごい。遺伝子が違うとしか思えない。
最近の知見では、日本人に超肥満者が少ないのはインスリンの分泌能力が欧米人より弱いためらしい。日本人は高血糖が持続すると、糖尿病その他さまざまな疾病がおこり結果的に太れなくなるが、欧米人は高血糖に強く、発病するまでに20~30年耐えられるという。したがってその間に超肥満になってしまうわけである。日本人にとって超肥満になりにくい(なれない)ことは良いことなのだろう。
さらに、日本人には「倹約遺伝子」が欧米人の2~3倍あるということである。この遺伝子を持つ人は安静時代謝量が1日あたり200~300Kcal少なく てすむので、同じ物を食べてもその分太るわけである。なぜ、私がたいして食べているつもりはないのに(?)体重が増えていくのか納得した。おそらく、食料の少ない時代に生き残ってきた祖先たちからこの「節約遺伝子」が受け継がれてきたのであろう。日本人の肥満傾向の人の1/3にこの遺伝子があるらしい。現代の飽食の時代では、困ってしまう遺伝子ではあるが。
この遺伝子を持つ人は、ダイエットをする時に遺伝子を持たない人よりも一日200~300Kcal少なくしないと同じ効果は得られないという。なんと気の毒なことか。食べることが特に好きな人にとって、我慢することは大変だろうと思うが、もっと我慢しなければならないとは!
ダイエットの方法についてはまた後日。

ピルの処方をすすめる会

平成16年8月18日(水)
ピルの処方をすすめる会が中央で発足されるらしい。会を主催する先生から、会議に出席してくれるように打診があった。当院が広島ではピルを多く処方しているためらしい。全国から30人位東京に集まって話し合うとのこと。日曜日に日帰りはきついのと、その日は広島で産婦人科の地方部会があるために丁重におことわりした。趣旨は賛成であるが。
確かに日本ではピルの普及率が極端に低い。中には生理痛がひどくて、仕事を休まなければならなくても「ピルは怖い」と言って、鎮痛剤をたくさん飲んでじっ と耐えている人もいる。どちらの薬が副作用が強いかといえば文句なく後者であるのに。第一仕事ができず寝込むのは困るだろうに。こういう人に限って、漢方薬ならなんでも安全と思っている。いつも客観的なデータを示して説明するのだが、まだまだ難しいようである。

オリンピックが始まった

平成16年8月16日(月)
今日から診療開始である。昨日も時間外で診察があったので、休み明けという感覚はない。いつもと同じである。ただ日差しは少し緩やかになったように感じる。
オリンピックが始まった。日本は柔道と水泳で金メダルを獲得した。スポーツほど見ていて気持ちのいいものはない。勝ち負けがはっきりしてわかりやすいし、素直に喜べるからである。この時ばかりは、日頃日の丸や君が代がどうこう言う人も、日の丸が掲揚されるのを素直に喜ぶのではないか。我々は国がなければ平和もないし、生存できない。家がなければストリートチルドレンになるのと同様に、国がなければさすらいの民となる。それなのにその象徴である、国旗や国歌をないがしろにする人が少なからずいるのはなぜだろうか。
ともあれ今日もオリンピックを見るぞ!がんばれ日本!

盆休み

平成16年8月13日(金)
今日は盆なのでクリニックは休みだ。例年ならこの時とばかりどこかに出かけているのだが、今年はどこへも行かずのんびりするつもりである。でも家にいればそれはそれで結構することがある。
この時期の移動は混んでいるうえに値段が高いので、実に不経済である。でも休めるのは文字通り「盆と正月」だけなのだから仕方がない。我が家は子供が小さいうちはいろんな所に出かけた。「今しか行ける時はない」と思っていたからだが、今になって間違ってなかったと思っている。子供たちが大きくなると誘っても行ってくれないからだ。うれしくもありさびしくもあるが、いっぱい行っておいて良かったと思う。
当院は来週月曜日から開ける予定である。

何も起こりませんように

平成16年8月11日(水)
盆が近づくとやや人が減ったように感じるのは気のせいだろうか。今日は休み前にしては少ないように感じた。いつも休み前になると、子宮外妊娠を疑ったり、休みの間に症状の急変の可能性が少しでもあって心配な人がいるのだ。だからその可能性のある人は、普段なら病院に紹介せずに経過をみるような場合でも、わけを話して念のために紹介しておくことがある。
ほとんどは大丈夫なのだが、時には紹介しておいて良かったと思うことがある。たいがいが妊娠関連であるが、予測してないのに起こる時が問題である。携帯電話を常に手元に置いているが、遠くに出かけている場合は話を聞いても駆けつけることができない。治療が必要と思われる場合は、信頼できる病院に連絡して、わけを話して診察をおねがいするのだが、たいてい時間外だし患者さんにとってその病院ははじめてのケースが多いので紹介先のドクターに悪いと思うのである。
もし自分が逆の立場だったらイヤだろうと思うからだ。自分の病院の患者だけでも手一杯だろうに、よそにかかっている患者のめんどうを、それも主治医が休みでどこかに遊びに行っているのを頼まれるわけだからである。それを思うと、受けてくれるドクターにはいつも感謝している。
今年は何もおこりませんように。

暑い日でもしっかり食べる

平成16年8月9日(月)
暑い日が続く。こう暑いと食欲も減退するが、こういう時こそしっかり栄養補給して乗り切らねばならない。今まで食欲がないと感じたことはほとんどないが、嗜好は少しずつ変わってきた。つまり、肉大好き人間から、魚好きになってきたのだ。焼肉やステーキもいいが、鮨や魚料理もさらにいいと思うようになってき たのである。加えて野菜のうまさにも目覚めてきた。
うなぎも好物であるが、こってりした焼き方よりも上品な感じの方がうまく感じる。そごうの10階の「伊勢定」が好きだったのだが、今年正月過ぎて行ったらなくなっていた。また、立町に持ち帰り専用の美味しいうなぎ屋があったのだが、これも最近なくなってしまった。さびしい限りである。好みはあるだろうが、美味しいものは誰でもそう思うようで、これらの店がなくなって残念に思っている人が何人もいることがわかった。
食べられるうちが花なので、体重オーバーもなんのその、しっかり食べていくつもりである。