カテゴリー 日誌

中村明一のコンサート

平成22年3月2日(火)
先日、久しぶりに尺八の演奏会に行った。前から一度は聞いてみたいと思っていた演奏家「中村明一」のコンサートである。
岡山の「月の舞台」で行われた和の空間での演奏と舞踊は、限定60名の観客との間に一体感をもたらした不思議な演奏会であった。演奏の超絶的技巧は名曲「鶴の巣籠」の親子の鶴が鳴き交わす場面で、別々の鳴き方を同時に演奏するという、バイオリンの名手パガニーニもかくやという凄味があった。
終わって座談会形式で中村氏と言葉を交わすことができたのは、思いがけないプレゼントであった。

浅田真央選手とキム・ヨナ選手

平成22年2月25日(木)
春のように暖かい日々が続く。梅も咲き誇って桜の開花が待たれるような、そんな季節だ。折しも大学入試の真っ最中で、受験生は皆頑張っていることだろう。
冬季オリンピックももう終盤である。女子フィギアはどうなるか、とくに浅田真央選手とキム・ヨナ選手に世界中が注目している。キム選手の「オリンピックは何が起こるかわからない、優勝は神様が決めることだから気が楽です」という言葉は、真央選手の「全力でパーフェクトの演技をします」という言葉と対照的である。きっとキム選手はそう思うことで重圧をしのいでいるのだろう。本当に大変なストレスがあることだろう。才能のある人に与えられた責任なのかもしれない。われわれは楽しんで見ているだけなのだが。

子宮頸がん予防ワクチンの効果

平成22年2月10日(水)
最近、子宮癌の予防ワクチンについての問い合わせが多い。テレビや新聞で紹介しているからだろうが、他科のドクターからも聞かれる。
テレビでは、このワクチンを接種しておけば子宮癌が防げるので欧米では政府が無料で実施している国も多い、と報道しているようである。子宮頸癌はHPV(ヒト・パピローマウイルス)が最大の原因だとわかってきたことは事実である。HPVの種類は100近くあり、そのうちの16,18の型の感染が子宮癌の70%を占めているという。ワクチンはその16,18の型に対するものである。だからそれ以外のウイルスに対しては効果がない。
問題なのは、まず値段が高いことである。3回接種しなければならず、全部でおよそ5万円かかる。さらに、このワクチンを接種することで子宮癌による死亡数がどれくらい減るか試算してみる。わが国の子宮癌による年齢調整死亡率は2万人に1人である。だから2万人にワクチンを接種してすべて効果があったとして、子宮癌死亡数は2万人につき0.3人になる。つまり、19999人には打っても打たなくても死亡には関係ないことになる。しかも効果は7~8年しか続かないという。
わが国で毎年1000万人が罹患するインフルエンザのワクチンなら、まだ費用対効果があるだろう。なにしろ1回3~4000円でOKだから。でも子宮癌のワクチンは値段が高すぎるうえに費用対効果が低すぎないか。このワクチンは英国の製薬会社が開発したそうであるが、こういうものにお金をかけても喜ぶのは製薬会社だけである。それよりお金は介護にまわすべきである。介護事業はお金をかけるほど良くなるからである。

福岡伸一著「世界は分けてもわからない」

平成22年2月9日(火)
分子生物学者の福岡伸一氏の、動的平衡状態にあるのが生物である、という著書について以前紹介した。近刊の「世界は分けてもわからない」も科学者の様々な思いが綴られており、興味深い。
科学者は少年のような好奇心を持ち、緻密な頭脳と研究で未知を既知に変えていく。そういう人物は魅力的であり、そうでなければいい仕事はできないと思われる。硬直した考え方をする人たちは、どの分野でもいるが、それぞれの分野でその発展を阻害するのである。

故郷の冬

平成22年2月4日(木)
今日からまた寒い日が続くというが、同じ広島市でも安佐南区より北は温度差が結構あるようだ。祇園大橋を渡ると一挙に気候が変わるといわれている。そこより北では雪が降っていても旧市内は降雪なしのことも多い。
故郷の笠岡も海沿いの市内は温暖でも、実家のある北の盆地は結構寒かった。冬といえば霜柱、池の氷、つららはあたりまえの風景であった。朝、通学の時に田んぼの霜柱を踏む時のザクッという感触は、心地よいものだった。つららはポキッと折ってかじりながら歩いたものである。たまに砂糖をつけて食べるとうまいものだった。今はどうなのだろう、地球温暖化で昔のようではないのだろうか。

危機

平成22年1月29日(金)
今週はブログどころではないが、あまり間があいてもと思い、簡単に記す。
広島市民病院へ毎日通っているが、新しく建て替えられて行ったのは初めてで、第一印象は大きな船のようである。それも世界を航行する豪華客船である。以前自分が入院していた時は、建て替え前だったので決してきれいとは言えなかったが、ずいぶん良くなったと思う。婦人科の病棟もすぐにはどこにあるのかわからなかった。建て替え後はここでお産をしたいという患者さんが増えたのもわかる気がするのである。

中島義道著「ウイーン家族」

平成22年1月21日(木)
哲学者、中島義道氏の小説「ウイーン家族」を読んだ。中島氏の初小説だそうであるが、今までの著書から想像すると実話としか思えない。
すさまじい夫婦の葛藤があますところなく描写されており、その原因は彼の両親の関係にあることが強く示唆されてくる。それにしても中島氏は実に生きていきにくい人だ。そして、彼の妻も彼の母親も同じように世間では生きていきにくい人たちである。彼の思考過程は共感できる部分もあるが、きっと毎日がしんどいことと思われる。
人はそれぞれいろんな考え方を持っていると思うが、ある出来事に対して自分では想像できないような考え方をする人もいるのだと、改めて思う。

厳寒でもアシスト自転車

平成22年1月14日(木)
ここ数日、極寒の日々である。安佐北区では雪が積もっているという。この寒さの中を相変わらず自転車で通勤している。ダウンのジャケットは暖かくて、フードをかぶれば少々の雪やみぞれでも大丈夫である。手袋もスキーでも使えそうなすぐれものなのでノープロブレム。
前日の勉強会を兼ねた会合にも自転車で行って、ホテルの駐車場に置かせてもらったし、今日はクリニックの往復に加えて他2か所にも使い大活躍であった。アシスト自転車でなかったら、ありえないことである。問題は、酷使すると電池があっという間に無くなることである。夜、9時前に家に着くまでに電池が無くなりそうで、それが一番怖かったがあと30メートルのところで切れたので、ぎりぎりセーフ。もっと容量の大きな電池にすればよかった。

マンモグラフィーは閉経後に

平成22年1月9日(土)
先日の新聞に、米国予防医学の部会が「40代の女性の定期検診にマンモグラフィーは勧めない」との勧告を出したという記事があった。昨年11月にこの勧告を出したとのことである。
マンモグラフィーも超音波検査も有用な検査法ではあるが、特にマンモグラフィーは乳房内の石灰化を見つけることがポイントであり、閉経前の女性に行う健康診断には有効性が疑問視されていた。
なぜ世界的に見ても乳がんの死亡率の低いわが国で、マンモグラフィーを閉経前の健康診断で勧めるのか疑問に思っていた。乳がんの専門医に聞いても、同じ意見であった。それが、「がん撲滅」などと、できもしないアピールを政府が行い、その流れで政治的アピールで行われたのではないか。検査のためのレントゲン、CTなど検査による被爆が世界一といわれるわが国で、さらにマンモグラフィーで被爆させようというのか。
今回の米国の勧告は、きちんとしたデータに基づいて出されたものであり、わが国(医学会も含め)が現在の方針を変えないのなら、その根拠となるデータを示す必要がある。

謹賀新年(平成22年)

平成22年1月4日(月)
謹賀新年。今日から診療開始である。
同じビルの内科と耳鼻科は明日からで、このあたりでは診療開始しているのはうちだけか?もっとも、昨年暮れに処置が必要だったけれど遅すぎて時間が取れず、ぎりぎり今日処置できたので開始してよかった。今年の正月は正味5日間の休みだったので、あまり正月という実感がなかった。基本的にはグダグダ、ゴロゴロしていたがこれが今年一年を象徴しているのかもしれない。なにはともあれ今年もよろしくお願いします。