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ER(緊急救命室)

平成29年5月19日(金)
アメリカのテレビドラマには面白いものが多く、このERも職業がらずいぶん楽しませてもらった。何年かに一度衝動的に見たくなることがあり、昨夜はブックオフで1シーズン分が3000円ぐらいで買い置きしていた中古DVDセットの第2シーズン第1話を見てしまったら次が見たくなって、結局遅くまで見る羽目になってしまった。
ドラマERはアメリカで1994年から2009年まで放映され全部で15シーズンあり、日本ではNHKなどで放送されて我々が見たわけであるが、テレビ番組をそのまま見るのは時間的に難しいことがあり当時はツタヤでビデオを借りて見ることが多かった。その後DVDになったが、一回借りると続きが見たくなって結局全部借りてしまうことになるので、ブックオフの中古DVDコーナーで安く売っているのを見つけて何シーズン分か買っておいた。あらすじはわかっていてもまた見たくなるのは内容・設定・登場人物の演技などすべてのレベルが高いからだろう。初回は廃院になった病院を使って撮影したらしいが、すぐにセットを作って長期にわたっての放映にそなえたようである。実際全米で視聴率1~3位を何年にもわたって獲得していたという。作品を通じて我が国とアメリカの医療内容や考え方の違いなどが見えてきて実に興味深い。実際にアメリカでERで仕事をしていた医師が「ほぼあの通りです」と言っているが、あんな激しい職場だったらやってられないと思うがアメリカ人はタフなものだ。また続きを見ようと思う。

「文豪の素顔」

平成29年5月12日(金)
表題の本は写真をふんだんに使って明治・大正・昭和の文豪と言われる作家たちのエピソードを紹介したもので、既刊の「文豪の家」「文豪の風景」に続くシリーズ第3作である。樋口一葉から山本周五郎まで31名の作家について掲載しているが、見たことのない写真がたくさんあり結構楽しめる。芥川龍之介自身が気に入っていた若き日の写真はテニスの錦織圭選手にそっくりだったり、宮沢賢治と妹トシの幼い頃の写真とその妹が教師になったころの写真(その後すぐに亡くなるのだが)など興味深いものが満載である。
現在では「文豪」という言葉は使われなくなったのでこの言葉に違和感のある人は多いと思う。「文豪」という言葉にふさわしい作家の筆頭は夏目漱石だろうが、確かに当時の最高の頭脳を持ったオピニオンリーダーであり、人生を深く見つめ身を削るようにして作品を発表し49歳で亡くなったがいまだに根強い人気がある。掲載されている31名の作家で長命の人は少なく、樋口一葉は24歳、石川啄木は26歳、宮沢賢治でさえ37歳で亡くなっている。当時は結核で亡くなることが多かったとはいえやはり文章を書く仕事は健康にはよくないのだろう。
自分がかつてこの本に載っている作家たちの作品を読んだ頃のことを思い出しながら写真とその解説文を見ると、何とも言えない面白さがある。

三連休

平成29年5月6日(土)
当院は暦通りなので4月29,30日は休みだが5月1,2日は開院、3,4,5日は休みで6日の今日は開けている。30日は休日診療の当番のため開院していたので長く休んだという実感がない。国内はいいけれど海外旅行に興味がないので大型連休にしてまで行こうとは思わないからこれでいいのである。1か月前に急に思い立って、是非見たい美術展が開かれている福岡・佐賀に行こうと思ったけれどちょうど博多どんたくと重なっていたため、JTBに行っても宿が取れなかったので、今回は近場でごろごろすることにした。
3日は半年ぶりに弥山に登ったが前回より足が疲れて日頃の運動不足を思い知ったわけである。それでも山頂からの眺めはすばらしく汗をかいた後のビールは最高でこのために登ってきたといってもいいぐらいだった。4日は息子も参加している高槻市ジャズフェスティバルを聴きに大阪に行ったが、趣味でやっている社会人バンドが派手なパフォーマンスをしていて面白かった。夜はかねてから再訪したいと思っていた店主が広島出身の「島之内一陽」の予約が取れたので大いに期待して行く。実はこの店の予約が取れたので高槻まで来る気になったわけであるが、期待にたがわずどの品も吟味工夫がなされていておいしい上に接客もよく、この店が広島にあればと思ったことである。5日はそれこそ近場でごろごろ、かくして連休は終わってしまったが十分リフレッシュできた。

禁酒?

平成29年4月28日(金)
4月になって飲む機会が重なって、とうとう何も食べたくなくなった。胃部不快感のために昼食を抜いたのは久しぶりで夜はおじやを少々、もちろんアルコールは厳禁である。ありがたいことに1週間の禁酒で元に戻り、今までどおりの食事ができるようになった。以前から何回も同様の状態になり、そのたびにアルコールを控えるつもりでいたが、飲みの機会が重なるとつい飲んでしまう。元来アルコールに弱い体質であるから、胃に負担がかかるのは重々承知しているのだけれど…
禁酒してみるとごはんのおいしさがわかる。子供の頃はごはんとみそ汁と塩サバや唐揚げのおかず、漬物くらいでごはんを何倍もお代わりしていたが、本当にごはんがおいしかった。今回、その頃のことをふと思い出したのは、禁酒したからだと思う。アルコールなしの夕食はあっという間に終わってしまうけれど、ごはんはじつにおいしい。禁酒を続けるかどうか悩ましいところである。

ゼルダの伝説

平成29年4月21日(金)
ニンテンドーのファミコン復刻版が発売されたという話は昨年から知っていたが、とうとうアマゾンで手に入れた。早速「ゼルダの伝説」をやってみたがなかなか面白い。30年以上前にドンキーコング、スーパーマリオなどのゲームを携えてファミリーコンピュータ(ファミコン)が登場した時は衝撃的だった。日本中さらに世界中の若者の支持を得てファミコンは売れに売れ、発売元の花札などを売っていた京都の小さな老舗「任天堂」は大企業へと変身していった。当時勤務していた某町立病院でも院長が医局兼食堂にファミコンを置いていて、院長を始め医師たちが発売されたばかりのファミコンで遊んでいたのを思い出す。
当時は家でもずいぶんやったが上記の「ゼルダの伝説」は、謎解きと経験によりレベルが上がるという2つの特徴に加え、画面が当時としては綺麗だったので結構はまった。週に1度大学へ通って学位論文のための研究することが義務付けられていたが、同じ研究仲間たちとアイテムの隠し場所などの情報交換をしたものである。あとは「メトロイド」「ドラゴンクエスト」もよくできたゲームでドラクエはⅥぐらいまでやっただろうか。いつの間にか興味を失ってしまったが、久しぶりにやってみると当時の状況などが思い出されてなつかしいものである。

日本産科婦人科学会

平成29年4月14日(金)
急に暖かくなった桜吹雪の舞う広島で上記の学会が開催されている。大学にとってこの学会を主催することは名実ともに一流の大学であると認められたことで、名誉なことである。日本中から教授、講師、基幹病院の部長など第一線級のドクターが今、広島に集まっている。関係者は疲れるだろうなと思うが、かつて岡山で学会が開かれた時は大変だった。岡山には当時「良い」といわれるホテルは2つしかなく、そのうちの一つは山の上にあった。会場はその2つのホテルと市民会館の3か所を使ってシャトルバスで行き来するようにしていたが、不便極まりない。今でこそコンベンションセンターとホテルが駅のそばにできて大きな学会も開きやすくなっているが、当時はちゃんとした会場がないのだから仕方がなく、それこそ罰ゲームのようだった。
それに比べて広島はさすが政令指定都市、国際都市である。学会場はリーガとグリーンアリーナ、クレドホールで十分まかなえているし、これらの施設は隣接しているので移動に便利、加えて周辺には繁華街があり平和公園もある。これほど全国大会の開催に適した都市は多くはないのではなかろうか。他にも国際会議場やアステルプラザ、旧厚生年金会館などもあり、同時に別の学会があっても開催できる余裕がある。内外の観光客も多くホテルの数も多い。そういえば昨年はオバマ大統領も来広した。「おしい!広島」ではなく「余裕の!広島」である。

MDからICレコーダーへ

平成29年4月7日(金)
暖かくなり桜も満開となったが雨模様の日が続き、花見には困ったことである。それでも雨の前に一瞬、娘や孫たちと近くの公園の桜の下で弁当をひろげ夜桜を楽しむことができた。
最近、尺八の稽古の模様を録音した初期のものを聞いてみたが、その頃の師匠の教え方と自分の技術の未熟さ、会話などが当時の記憶をよみがえらせてくれて感慨深いものがあった。初めはMD(ミニ・ディスク)に録音していたが70分程度しか録音できないので、ディスクの枚数ばかり増えていってしまった。その後ICレコーダー(MP3)が発売されてからはレッスンも演奏会もすべてこの小さな機器で録音するようになった。ICレコーダーは優れもので、軽くて小さいので持ち運びに便利で録音可能時間も長い。モーターのような故障しやすく電気をたくさん必要とするものはついていないので、小さな充電池でくりかえし長く使える。パソコンに取り込んで整理しておけばいつでも簡単に探せて再生できる。
それに対してMD録音再生機器はもう製造されていないので、手持ちの装置が壊れたら二度と録音したMDを聞くことはできなくなる。簡単な録音にはテープレコーダーより便利で使いやすかったのだけれど短い命だった。レコードはずいぶん長い間使われていたがCDが出るとあっというまになくなってしまった。一部では根強いレコードファンもいて、今でも細々と製造されているようではあるがいずれ伝説になるだろう。面白いことである。

広島の書店

平成29年3月31日(金)
アマゾンが普及して小さな書店はほとんどなくなってしまった。その替わりであろうかコンビニが雑誌や漫画を置いていて、この売り上げは馬鹿にならないようである。ここ20年で本通りとその周辺の書店もいくつかの変化があった。アンデルセンの向かいにあった丸善はなくなったが、その後八丁堀天満屋の跡に7,8階の2フロアを使って大型書店として再開した。廣文館も丸善の隣にあった店はなくなり本通り1丁目のビルで規模を大きくして営業している。フタバ図書は前からの福屋の向かいの店は今までどおりであるが、エディオンの隣の店が新たに本通りの西、平和公園に近い大手町に移転営業している。そごうセンター街6階の紀伊国屋書店は長く1フロアの大型書店として盛業している。
このように恵まれた書店環境であるが、新聞の書評欄や医学誌の推薦欄などで興味をそそられた本を手に入れようと思ったらとりあえずアマゾンで注文することにしている。書店で探す手間が省けるし、確実に早く手に入る。絶版になっている本もアマゾンで調べれば見つかるし、古書として簡単に買えるシステムになっているので大いに利用している。
ただ、本というものは実物を手に取ってパラパラとめくって買うかどうか決める方がいいのは確かで、こうして手に入れた本は後で買うんじゃなかったと思うことは少ない。また、実際に新刊などが並んでいるのを見ていると思わず興味を惹かれる本も見つかり、旧刊でも読んでみたくなる本を再発見することもあり書店に行くのは絶対に必要であるし楽しい。大型書店でよく行くのは八丁堀丸善、そごうセンター街紀伊国屋書店、エールエール10階にあるジュンク堂であるが、それぞれの店が在庫の本の種類・陳列の仕方・立ち読みスペースの有無など工夫していてそれぞれに特徴があって面白い。当分本屋巡りは続きそうである。

「性差からみたうつ病」

平成29年3月24日(金)
順天堂大学医学部メンタルクリニック教授、鈴木利人氏による表題の講演があった。うつ病は女性の方が男性の2倍なりやすいがその結果自殺してしまうのは逆に男性は女性の2倍で、理由は男性の場合は気持ちの落ち込みは強くても自殺を遂行してしまう意欲が女性より強いからだという。女性は周囲の人、母娘関係や家族他人との関係がうつ病の原因となることが多く、男性は仕事関係が原因となることが多いそうである。お産の後に起きる「マタニティーブルーズ」は多くの場合一過性であるので精神科では精神疾患の範疇に入らないが、自殺をしてしまう緊急に対処を要するケースが含まれているので注意深い観察が必要である。我が国は妊産婦死亡の原因の1位が自殺だそうで、せっかく産婦人科医が妊産婦死亡を減らすべく頑張ってきたが、精神的なフォローの方が大切だとは目から鱗が落ちた。
「夫が家にいる症候群」というのがあって定年を迎えた夫が家にいるようになり、7~8月ごろ妻が鬱っぽくなって病院に来るそうである。夫が一日中家にいるようになり自分が今までしていたことができなくなるうえに、「飯はまだか」としか言わない夫に我慢できなくなるという。思わず笑ってしまったが、妻の立場では自分のペースで生活していた空間に邪魔な侵入者がいると困るだろう。まさに「亭主元気で留守がいい」である。鈴木教授の話は緩急自在で説得力があり、いつもなら眠ってしまう人も多い講演会もあるが今回は皆が聞きほれるいい講演であった。

快適な自転車通勤

平成29年3月17日(金)
日に日に春めいてくる今日この頃、日差しも柔らかく気持ちのいい季節になってきた。7年半愛用してきたアシスト自転車もさすがに細かいところにガタがきて、本当はもっと乗れるのだけれどパナソニックがモデルチェンジしたので買い替えることにした。今度のはスカイブルーの通勤通学用でバッテリー容量も大きく、一度充電すると60Kmぐらいは走れる優れものである。最近のアシスト自転車の改良は目を見張るものがあり、快適さに気付いた人が増えたためかあちこちで見るようになった。なにしろ足をペダルに置いて上下させるだけでスーっと前に進み、坂道もストレスフリーなのである。自分が高校生のころにこんな自転車があったら、アルバイトをしてでも手に入れたいと思ったことであろう。何しろ高校まで10Kmぐらい離れていて自転車通学には少し距離があり、部活(テニス)を終えて帰るのは疲れているし結構きつかった。だから16歳になったらすぐに原付の免許をとり、禁止されていたが夏休みの部活の時は家のスーパーカブ号でこっそり通っていたものである。
いずれにしても季節の変化を肌で感じながらの自転車通勤は快適で、自分にとってアシストはマストグッズである。