平成30年2月2日
ミシュランと双璧をなす食のガイドブック、「ゴ・エ・ミヨ」の最新版を手に入れた。東京、北陸、瀬戸内(岡山、広島、山口)のおいしい店を紹介しており、結構知った店もあったので早速行ってみた。宮島口、桟橋の近くにある「宮島ボッカ アル・ケッチアーノ」は山形を代表するイタリア料理店「アル・ケッチアーノ」の奥田シェフが手がけた店で、山形と広島の食材を取り入れた味も値段も納得できる良い店だった。まだできて2年目だそうであるが、そのうち予約が取れなくなりそうなので今のうちに行っておかなければと思った次第である。
「ゴ・エ・ミヨ」に載っている店で金沢、福井、岡山にも行ったことのある店があり、いずれもよかったので広島市内の某料理店に行ってみた。この店は以前、開店して間もない頃一度行ったことがあったが、可もなく不可もなしといった印象で、あまり好みでなかったので以後自分のリストから外していた。それが今回、結構いい店として載っていたので予約して行ってみたが大外れだった。まずアルコール類の値段が高く、居酒屋風のカウンター料理屋の中では最右翼だろう。料理も普通で1時間以上客は他にいなくて、あとから2組の客が入ってきたがいずれもガイドブックを見てきた若いカップルのようだった。
ミシュランにせよゴ・エ・ミヨにせよ当たりはずれがあるのは仕方がないが、今回は自分で昔リストから外していただけに一層残念だった。
カテゴリー 日誌
あたりはずれ
「手を洗いすぎてはいけない」
平成30年1月26日(金)
表題は東京医科歯科大学名誉教授、藤田紘一郎氏の著書である。氏は寄生虫博士として自ら腸の中にサナダ虫を寄生させて「寄生虫はアレルギーを防いでくれる」ことを実践してみせたことで知られている。表題の新刊書は日本が超清潔志向になった結果、免疫力が弱くなってしまっていて、このままだと感染症に世界一無力の国になってしまうことに警鐘を鳴らしている。インフルエンザが春など季節外れに流行したり、ノロウイルスなどの感染力の弱いウイルスに感染し嘔吐下痢などをおこすのも日本人全体の免疫力が落ちているからだという。
ヒトは生まれた直後から微生物と共に生きているというが、実際ヒトの体は9割が細菌でヒトは1割だという。ヒトの体は約37兆個の細胞からできているが、ヒトに住み着いている細菌の数は100兆個以上いて、それぞれが遺伝情報を持っている。一方、ヒトの細胞37兆個のうち遺伝情報を持つのは11兆個で26兆個は遺伝情報を持たない赤血球である。つまり、遺伝情報を持つ細胞の数でいえば、9割が細菌、1割がヒトということになる。ほとんどは大腸菌で100兆、歯垢(プラーク)に1兆、唾液に1000億、肌に1000億だそうである。
細菌と共に生きている我々が超清潔志向になっても意味がないし、免疫力が弱くなるだけだという内容には大いに説得力がある。
「月経不順と不妊治療」
平成30年1月19日(金)
徳島大学医学部産婦人科准教授、松崎利也氏による表題の講演があった。内容は今までに分かっていることの系統だった説明と今後の展望で、淡々としたわかりやすい講演であった。講演自体は普通に終わったのだが、質疑応答でフロアからの質問に対しての答えが氏の広くて深い知識を感じさせられ、さすがと思ったことである。
講演会にはできるだけ出席するようにしているがそれほど目新しいことはあるはずもなく、ほとんどが知っていることのおさらいになるけれど、それぞれの演者はさすがに何か一つは聞いてよかったと思わせるものを持っている。ピルに関しては自分がいつも言っているのと同じことを感想のように話しておられた。つまり、一層性のピルは好きなように連続して内服してもいいし、好きな時に一週間休んで生理をおこさせても問題ないと。また、排卵誘発剤のクロミッドは思いのほかいい薬であるとも。こういった本音の部分が聞けるのも講演会のよい点である。今回は小さい集まりだったが、学会などではなかなかこういった本音は聞けないことが多い。どうしても紋切り型になってしまうからである。小さな集まりもいいものである。
田中小実昌ベストエッセイ
平成30年1月12日(金)
魅力的な人物の評伝に興味があるので本屋で見つけると買うようにしている。最近、直木賞作家の田中小実昌氏のエッセイ集を見つけたので読んでみた。氏が色々な雑誌に書いたエッセイを年代を追ってまとめたもので、オビの「コミさんの入門編にして決定版」とあるように、実に面白く読ませてもらった。
氏は私の父親とほぼ同年代の作家というか自由人で、75歳で亡くなっているがその飄々とした風貌と振舞いが雑誌などで紹介されていてなぜか気を惹かれていた。エッセイによれば、氏は月のうち5日ほど仕事をして、あとは昼は映画、夜は新宿ゴールデン街に入り浸っていたようでまことに自由である。氏の父親は牧師で呉に教会をつくりそこで少年期を過ごした。短期間であるが招集されて軍隊にも行っているが戦後、東京大学文学部哲学科を中退して翻訳などをしながら生活していつの間にか作家として認められている。ドイツ人の医師と結婚してドイツに住んでいる娘さんのところや、親戚のいるアメリカにも行き来していて最後はアメリカで客死しているが、こういう人を「達人」というのではなかろうか。
謹賀新年(平成30年)
平成30年1月4日
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今日から診療開始である。4日が日曜日でない限り開始日は4日と決めている。今年は4日が木曜日なので半日だけだったが患者さんは多かった。
暮れの30、31日は久しぶりに友人夫婦と湯田温泉でフグを食べ久闊を叙す。帰りに唐戸市場で新鮮な魚を仕入れて帰宅し、年越しそばと共に味わい1年を無事に終えられたことを喜ぶ。明けて元旦は雑煮と岩惣のおせちで祝い、例年の如く帰省していた息子も一緒に自宅から歩いて護国神社へ初詣に行ったが、参拝者の行列の長いこと。夜は長女・孫たちも来て鍋を囲む。正月三が日はほぼ寝正月だったが、箱根駅伝も面白く十分リフレッシュできた。
1年を振り返って
平成29年12月28日
診療は明日29日まで行う予定であるが、この1年を振り返ってみた。診療内容に関しては例年と変わらないが新患が増えていて、ここ数年この状態が続いている。
開業以来、一般的には行われているが、しなくても変わらないような検査や治療は、患者さんの精神的・身体的負担を減らすためにもやらずにこれたのはありがたいことであった。再診についても本当に必要な人だけに来てもらうができるだけ来院せずに済むようにして、検査の結果などは電話ですませるようにしている。それにしても生理不順を心配して来られる人の多いこと。特別な場合を除いてその人それぞれの生理周期は変えることはできないし、変える必要もないことをもっと周知すべきである。それを生理不順は不妊につながるなどと脅すから皆心配するのである。また切迫流産の薬は有用でないので出さないし、漢方も出さない。もちろん本人に薬が有効でないことを詳しく説明しても、それでも希望する場合は処方するけれど。考えてみれば自分は薬の処方量が最も少ない医者ではないだろうか。
ピルについては避妊のためにも生理痛を軽減するためにも、また将来の妊娠のために子宮・卵巣をいい状態にしておくためにもできるだけ勧めるようにしている。いずれにしても開業前からの診療の姿勢は一貫しており、ぶれずに来られたのは僥倖でありこれからもこのままやっていきたいと思っている。
皆さまありがとうございました。良い年を!
緊急避妊ピルについての考察
平成29年12月23日(金)
最近、緊急避妊ピルを求めて来院される人が多いが、どの程度効果があるかは本当のところよくわからない。ネットなどでは大いに効果があるように書かれているが、実際のところ排卵・受精を少し多めのホルモン内服で確実に防げるとは思われない。50~80%は有効と言われているが、毎日飲む低用量ピルの有効率99%と比べれば失敗率は高い。フランスで開発されたRU486ならほぼ完全に着床を防ぐけれど我が国には入っていない。
何もしない場合、どのくらい妊娠するのか考えてみよう。簡便のため女性の生理周期を28日として、月経期間を7日間とすると妊娠可能期間は21日となる。この期間のうち妊娠する確率が高いのは排卵日とその前の7日間で、実際には5日くらいである。その5日間以外では妊娠しないわけだから75%は妊娠しないことになる。ところで妊娠率の最も高いと言われている排卵日にセックスした場合でも妊娠率は30~40%である。多めに見積もって5日間すべて30~40%の妊娠率として計算しても、21日間で考えれば妊娠率は7,5%~10%になるので10人のうち9人は薬を飲む必要がないことになる。だから緊急避妊ピルを飲んだから防げたと思っている人の中には、飲まなくても妊娠していない人も多いと思われる。安易な処方は慎まなければならない。
減り続ける本屋さん
平成29年12月15日
だいぶ前から新聞の書評などで興味を持った本は、アマゾンで買うようになった。本屋に行く時間が限られている上に、せっかく行っても目的の本がないこともあるが、アマゾンなら数日で確実に届くからである。今から20年前、開業した頃はすぐ近くに2軒の本屋があり(丸善と金正堂)それぞれ特徴があって昼休みによく立ち寄っていた。どこにどんな本があるか把握していたので変わった部分だけ確認すればよく、新たな本を見つけるのは簡単だった。基本的には丸善に行くが、金正堂には店主の意向を示したようなコーナーがあり、自分の趣味とも合っていて新刊を楽しみにしていた。近くに開業している本好きの先生ともよく顔を合わせ、情報交換したものである。
それから10年位の間に2軒ともなくなってしまった上に、別の店(積善館)も移転したため気軽に立ち寄れなくなった。丸善は天満屋のあったビルに復活したがここも昼休みに立ち寄るには少し距離がある。アマゾンは古書を含め何でもそろうが、やはり本というものは実際に手に取ってみないとわからないものである。立ち読みの楽しさは独特のものがあるので町の本屋さん減るのは困る。町の本屋さんが存続できるような制度・価格操作はできないものだろうか。
ひろしまドリミネーション
平成29年12月8日(金)
今年も平和大通りで光の祭典「ひろしまドリミネーション」が始まった。11月17日から1月3日まで大勢の人が見物にやってくる。今年は「子供のエリア」「水と氷のエリア」「太陽のエリア」「写真撮影のエリア」の4つをテーマにしているそうだ。140万個の光を使い幻想的な情景を描き出している。自転車通勤しているので帰りには平和大通りを通ることになるのでいつも見ることになるが、初めはきれいだと思っても毎日見ていると飽きてくる。人が多いので自転車通行が難しくなることもあり今は早く終わってくれないかと思うようになっている。
神戸のルミナリエは阪神淡路大震災の後の復興と鎮魂を目指して始まったもので、今年は12月8日から17日まで行われることになっているが、「ひろしまドリミネーション」はそのパクリのような気がする。しかも開催期間が長すぎる。交通渋滞の原因にもなるしいい加減にしてもらいたいと思う人もいるのではないだろうか。
年の瀬に増える会合
平成29年12月1日(金)
年末になると忘年会や同門会、その他会合が増えるのは例年のことである。今年はもう4件の忘年会・同門会があったが、最近ではこれらの会合は12月より11月の方にシフトしているようだ。会を主催する立場としては12月は忙しいからと配慮するのだろうが、そうなると11月の後半に集中するので何件もダブることになり、出席できない会も増えるし逆に12月の方が空きが多いことになる。
会にはアルコールがつきものであるが、ビール、ワイン、日本酒、焼酎などどれもおいしくいただけるのはありがたいことである。今年の夏は一時、胃の具合が悪くてあまり飲めないし食べられないことがあったがいつの間にか回復していて今では何の問題もない。元来アルコールに弱い家系で、生家にはアルコールというものがなかった。それが今では食事をおいしくするのに欠かせないものになっている。毎日晩酌が欠かせないのも健康あってのことで感謝である。