平成16年6月14日(月)
当院では、子宮がん検査をはじめほとんどの検査の結果を電話で答えるようにしている。本当は来院してもらって直接説明する方が間違いがなくてよいのだろう が、そのためにわざわざ来院してもらうのも気の毒なので電話で答えることにしている。問題なのは異常があったときで、その時は「来院してからお話します」 と言うことにしている。でもこう言われた患者さんの気持ちは本当にイヤだと思う。私も以前に内容は異なるが似たようなことがあり、その時の気持ちを思うと 察するにあまりある。私の場合は結局問題なかったのであるが、それでもかなり大変だった。
悪い結果を伝えて今後どのようにしたらいいのかを話すのにも実は二通りあり、一つは予後がよさそうな場合ときびしい場合である。これはだいたい予測がつく。前者はまだ良いのだが後者はどういう風に話そうかと思うのである。
カテゴリー 日誌
検査結果を伝える
アルコール好き遺伝子
平成16年6月11日(金)
昨夜久しぶりに胃が重苦しくなった。3日連続飲みが続くと良くないのだろう。私はアルコールは弱いけれども好きなのだ。先日新聞に、アルコール好きの遺伝子とアルコールに強い遺伝子は別だという記事があった。そうだろうな。アルコールが好きで強ければ肝臓を痛めるか、アル中になる可能性がある。アルコールが嫌いなら、人生の楽しみの一つを味わえないまま一生を終えることになる。どちらが良いか迷う所である。だから私のように好きであまり強くないのがいいのかもしれない。ちなみに私の父親と長兄は、アルコールを受けつけない体である。次兄は飲めるが嫌いだそうだ。全然うまいと思わないらしい。いとこは好きでかなり強い。
今日は休肝日。尺八でも吹いてみよう。
細胞診の結果
平成16年6月9日(水)
細胞診でクラスⅢというカテゴリーがある。子宮がん検診での異常は、このクラスⅢのことが多く、とくにそのうちのクラスⅢaであれば2~3ヵ月後に再検査 をすればよい。最近では20代の女性にもしばしば認められ、充分説明するのだがなんにも気にせず後検査にも来ず、2~3年してから別のことで来院する人がいる。かと思うと親に話したら親はがんだと驚いて、あわてて一緒に来院して説明を求める人もいる。気持ちはわかるが、ここはこちらを信頼して怖がり過ぎず、ほっときもせずでいてもらいたいと思う。
私も相手の反応を見ながら、ほっておきそうな人にはややきつめに話し、心配しそうな人には大丈夫だと強調しながら話すのであるが、相手の性格の予想が外れることもあるのだ。
英語がしゃべれない
平成16年6月7日(月)
場所がら時々外国人が受診する。少しでも日本語がしゃべれればよいのだが、全くしゃべれない人もいる。この時が最も困る。中学高校と英語を習っていて、大学でも英語の授業があり、医者になってからも英論文は読んでいるのに、さっぱりわからないししゃべれないのである。医学用語の単語だけはかろうじて使えるが、普通の会話はお手上げである。そのたびに「アビバへ行こう」と思うのだが、いざとなるとめんどうになりそのままとなる。かくしていつまでたってもしゃべれないままである。
昔、学会でモロッコへ行った時は、現地の人と身振り手振りである程度意思の疎通ができた。そこでは英語はほとんど通じず、アラビア語とフランス語しか通じないので、全くお手上げであったのだが。要は通じ合おうという気持ちが大切なのだろう。今は通じないとカッコ悪いと思っているからいっそう通じないのだと思う。なりふりかまわず頑張ればいいのだろうが、なかなか難しい。
紹介先と相性
平成16年6月5日(土)
相性というのは必ずある。友人同士、上司と部下、夫婦、先生と生徒、飲み屋のオヤジと客、そして医者と患者にも相性は大いにあるようだ。他院に紹介したE さんが来院されて言うには、紹介先の先生とあまり合わない様子である。それぞれの人はいいのだが、組み合わせではうまくいかないことがある。正しい間違いではなくまさに「相性」である。医者と患者の場合は相性が悪ければよそへ行けばいいが、会社などで上司との相性が悪ければ大変だろう。夫婦なら最悪である。
日本では昔から見合いの制度があった。これは物のわかった大人が、双方の家柄や性格をみつくろって引き合わせるのでそれなりにうまくいっていたようである。医者がよそに紹介する場合は、その病気を治療するのに一番良いと思われる医者を選ぶのだが、相性のこともチラッと考える。でも病気の種類によっては、相性より腕だという場合は腕を優先するために今回のようなことがおきる。紹介といってもけっこう難しいのだ。
早く帰宅
平成16年6月4日(金)
やはり体を動かすと調子がいい。昨日テニスで汗を流したらビールもうまいし良く眠れる。人間は体を動かすようにできているのだろう。若い頃は狩や漁をして生活し、ある程度の年になったら農業をするのが自然なのかもしれない。
今日からとうかさん祭りだ。昼頃からクリニックの近くの本通りをゆかたの若い女性がちらほら通っている。とうかさんとは三川町円隆寺の稲荷大明神(いなり と読まずとうかと読む)を祭るなんと380年の歴史のあるゆかた祭りのことである。今日から3日間はこの近くもいっそう人が増えるだろう。こういう日は早 く家に帰る方がいい。クリニックが終わったら一目散に帰るつもりだ。
コンジローマの治療
平成16年6月2日(水)
最近コンジローマが多い。コンジローマとはイボのことで、おもに外陰部にできるウイルス感染症である。セックスで感染するため性感染症の一つといわれてい る。コンジローマができたときには、他の性病も同時にあることがよく見られるので気をつけなければならない。性病に感染するということはそれだけ性的に活発ということで、生物学的には正しいのだろうが他人にも感染させるし本人も困る。
コンジローマの治療は焼くか凍らせるかが一般的だが、欧米ではポドフィリンという植物からの抽出液を塗ることで治す。これはほとんど痛みもなくきれいに治るのでおすすめである。ちなみにこの薬は、欧米では薬局で自由に買えるようであるが、我が国では厚生省が禁止しているので買えないし売っていない。この薬はきついから危険なのだそうだ。それを言うなら一般に売られている消毒薬だって危険である。厚生省だって何かあった時に責められるのがイヤなので、簡単には薬剤の許可をしないのだろう。我々ももっと自己責任を重んじて(そういえばイラクの人質では随分自己責任論が盛んだったが)なんでもお上まかせはやめに して、もっと権利、義務、責任を明確にして主張すべきは主張していきたいものである。
健康診断は不要
平成16年6月1日(火)
健康診断は必要なのかという疑問がある。人間ドックは本当に寿命をのばしているのかという疑問がある。これらの検査は日本独特で、諸外国ではあまり行われていないようである。実際、がんを含め成人病(今は生活習慣病というのだが)は老化に伴う変化によるものがほとんどで、治すのではなく慣らしていくしかな いと思われる。今現在調子が悪ければ、受診すべきだがどこも悪いと思わなければ医者に近づかない方がいい。昔のテレビドラマなどを見ると医者が「もっと早 く来れば良かったのに、手遅れです」などのセリフがある。緊急を要する疾患や事故ならそうかもしれないが、がんや慢性疾患ではどれほどの違いがあるというのだろうか。生命予後はほとんど変わらないと思う。
普段はあまり病気のことなど考えずに、楽しく生きる方が得だろう。本当はこれが一番難しいのだが。
ウイルスチェック
平成16年5月31日(月)
ついに本格的な梅雨に入ったようだ。朝からじめじめして不快だ。さらに「あなたの作成した文書にウイルスがあったので取り除いておいた」という差出人のはっきりしないメールが来て、困ってしまった。どうもインチキメールのようだが、もし本当なら当方からメールを出すと相手に迷惑がかかるのでメールを出せない。朝何通かメールを出していたので心配になる。確認したところ、出したメールにはウイルスは入っていないとのこと。ほっとするが万が一ということもある。そこでウイルスバスターを最新のものに入れ換えてチェックしてからにすることにした。もちろんプロバイダーと契約してウイルスチェックは行っているのだが。そうやって二重三重にチェックしてもすり抜けることもあるだろう。油断もすきもない。
昼にあなご天丼を食べようと近所の天ぷら屋へ行くも、なんとあなごが売り切れとのこと。6年通っているが初めてだった。ここの天ぷらは美味しく値段も手頃。一度食べる価値あり。
のど元過ぎれば
平成16年5月28日(金)
今日は朝からばたばたした一日だった。こういう日にはミスがおきやすいので気をひきしめる。そのせいだろうか夕方には結構疲れてしまった。ただ昔と比べて良いのは夜起こされないことだ。だから昼間少々しんどくても一晩寝れば大丈夫である。夜、しょっちゅう起こされるつらさは経験したものでないとわからないだろう。私ももうほとんどわからなくなっている。20年近く起こされ続けていたにもかかわらず、である。「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」「人の痛みは百年でもがまんできる」などのことわざを思い出す。夜畳の上に寝転んでテレビを見ているうちに眠ってしまっていた。おやすみなさい。



