カテゴリー 日々是好日

無常を感じる季節

平成19年9月3日(月)
昼間は結構暑い日もあるが、朝夕は涼しくなってきた。9月の後半から10月一杯が一年中でいちばんいい季節である。豊穣の秋であり、同時にもの悲しさを感じる季節でもある。不思議なことに冬になってしまうとそういう感傷はなくなる。秋、それも晩秋に特にそう感じるのである。多くの詩人がこの心境を詩に残している。
私の場合はさすがに感傷はないが、平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とか、般若心経の「色即是空、空即是色」はなるほど真実だとしみじみ思うのだ。どんなに盛んに見えても必ず終わりが来る、そして人は必ず死ぬ、まさに世は無常なのである。そう思わせる季節になったということである。

猛暑

平成19年8月17日(金)
お盆休みが終わって今日から診療開始である。ここ数日の暑さは例年になく激しく、まさに猛暑という言葉がふさわしい。なんでも観測史上最高気温を記録したとか。熱中症による死者も少なからずみられたようである。街中での暑さはことに強烈で、アスファルト、車の多さ、エアコンの数などが原因となっているのだろうがまことに強烈である。
こんな時は昼間は出歩かず屋内でのんびり昼寝でもしていた方がいい。スペインにシェスタという習慣があるのは理にかなっている。確かにあの国ではシェスタの時間はほとんどの店はしまっているし、人通りも少なくなっていたように思う。国民性といえばそうなのだろうが、日本人はこんなときでも一生懸命働くだけでなく、テニスをしたり遊んだりする。実に勤勉な民族だと思う。

輪廻転生は真実

平成19年6月30日(土)
早いもので今年も半分が過ぎてしまった。誰かが書いていたが、我々の体はすべて地球上の物質からできていて、最後は土に還る。そしていずれは植物の栄養となり、その植物を摂取して人間を含めた生物が生きてゆく。つまり、地球上で物質のリサイクルしていることになる。我々の体は単なる遺伝子の乗り物だというが、生物の生き延びようとする意思はどこから来ているのかという疑問がある。そして、生き延びる意思が生物の体を借りているということが本質であり、意思そのものが存在するのではないかという。
なるほどそうかもしれない。さらにそれが本当なら実体はなくても意思そのものがこの地球上を飛びかっていることになる。これは輪廻転生の考えに近いが、このような視点で世の中を眺めるのは楽しいことである。

東京に温泉?

平成19年」6月21日(木)
ニュースによると東京の温泉関連施設で爆発があったとのことである。わが国では温泉という名称があれば人が来てくれるので、東京のようなところでも地中深く穴を掘って無理やりお湯を出せば温泉として売り出すことができる。今回の事故の温泉はなんと地中深く1500m掘ったところの泉源からひいたもので、同時に出るガスがたまって爆発したそうである。
地球の内部には熱いマグマがあるのだから、どこを掘っても必ず温泉は出てくる。なにを血迷ってわざわざ地下深く穴を掘って無理をして温泉と称して人を集めるのだろうか。温泉なんてもとは自然にあふれて出たお湯を利用することで、施設として成り立ってきたものである。最新の技術を使わないとできないようなものは温泉とは言えない。地下水が地熱で温まったお湯も、水道水をボイラーで温めたお湯も同じようなものである。利用者である我われがこんなまがい物には近づかなければよいのである。

梅雨入り

平成19年6月15日(金)
入梅してうっとうしい日が続く。朝は雨が降っていないので自転車で行くと、帰りは雨になってバスで帰宅することもある。その場合は翌朝は自転車通勤できない。なんだか損をしたような気持ちがするのが不思議である。
昨日は市内某ホテルでHPV(ウイルス)と子宮がんの講演があった。子宮頸がんの原因がHPVによることがいまや常識になってきたが、実際のところHPVの感染があったらどれくらいの率で浸潤がんになるのかというと、0,1%だそうである。もっと高いかと思っていたが意外に少ないのである。そもそもウイルスの感染だけではがんは発症しない。その後、いろいろな条件が重なってがん化するのである。さらに、HPVの感染が最も多いのは10代20代で、以後減っているのは自然治癒があるからである。欧米ではワクチンが使われ始めたようだが、日本ではどうだろう。費用対効果を考えると悩ましいところである。

ママチャリ

平成19年6月9日(土)
高血圧がわかってから、自転車で通勤するために乗りやすそうなママチャリを買った。27インチ、3段変速、自動点灯LEDライト付で、じつに軽快に走る。季節もいいのだろうが、毎日自転車で通勤するのは気持ちがいい。なぜもっと早く自転車通勤にしなかったのか悔やまれる。片道3キロだから15~20分の走行だが、MP3で音楽を聴きながら走れば短いぐらいである。アルコールは今までと変わりないが、散歩をするようにしたら恐ろしいもので体重が2キロ減った。血圧もだいぶ下がってきたのでもうしばらくは薬を飲まずに経過を見るつもりである。いずれにせよ高血圧の指摘は生活習慣を考えるいい機会だったと思う。

高血圧発覚

平成19年5月28日(月)
先週、たまたま血圧を測ったらかなりの高血圧で怖くなって同じビルの循環器専門の先生に診てもらった。
診察の結果、確かに高血圧だが心臓や頸動脈にはあまり問題ないのでとりあえず1週間朝夕血圧を記録するよう言われ、早速血圧計を買って帰った。減塩、軽い運動、ストレスの緩和などを示唆されたのでアルコールは減らし、通勤は自転車にしてできるだけ散歩をすることにした。家系的には高血圧はいないと思うので、原因はストレス(自分ではあまり思わないのだが)、アルコール、肥満、運動不足だろう。特に後の3つは自分でも確実にあると思う。年を取ると無理がきかず、体の悪いところばかり増えてくるのは困ったことである。それでも朝夕血圧を測っているとその値の変化が結構面白く、血圧測定に病みつきになりそうである。
学生時代所属していた男性合唱団の合宿の食事時にはいつも全員で歌を歌ってから食事を始めるのが常であった。曲は「線路は続くよどこまでも、、」のメロディーで「ごはんだごはんだ、さあ食べよう、、」と歌うがよくハモるので気持ちよく、他の学生達や客の驚いた顔や拍手(顰蹙?)が快かった。血圧を測りながらそのことを思い出して思わず「血圧、血圧、さあ測ろう、、」と口ずさみながら測っている。

金沢と京都

平成19年5月7日(月)
連休を利用して金沢、京都に行ってきた。金沢は歴史を感じさせるしっとりとした町で、さすが加賀百万石の城下町である。この地は戦災にも会わず兼六園をはじめ武家屋敷も保存されており、風情があった。ちょうどほたるいかと白えびの旬だそうで期待して行ったが、残念ながら白えびは当日の魚市場には水揚げがなく食べられなかったが、ほたるいかの沖漬けは絶品であった。
京都はなんといっても我が国の歴史の中心である。御所があり名刹が目白押しである。食事もおいしく、老舗の道具や菓子などいい物がいっぱいある。日本中で最も人気ある観光地であるが、問題は人の多さだ。実際、京都駅は言うまでもなく、河原町から錦市場あたりまで人の波である。連休なので特に人出が多いようで、時期を選ばないと人を見に行くようになってしまう。今回は下調べをして行ったので食事は満足できたし、レンタサイクルで鴨川べりを散策したのもよかった。有名料亭に行かなくても、デパートで老舗弁当を仕入れて缶ビールを買い鴨川の河原で食べれば結構な昼食になる。
この三日間は天気も良く、結構な休日であった。

フラワーフェスティバル

平成19年5月2日(水)
明日から3日間広島市ではフラワーフェスティバル(F.F.)が開催される。F.F.は昭和50年に行われた広島東洋カープ優勝のパレードに30万人の人出があり、それを恒常化できないかと考えた広島商工会などが中心となって始まったと聞く。
今では観客動員数は100万人を越えていて、わが国でも有数の祭りとなっている。歴史は浅いのにこれだけの人が集まるようになったのは関係者の努力のたまものであるが、平和記念公園と平和大通りの存在がなんといっても大きい。平和大通りは通称100メートル道路といって、両側に芝生のある遊歩道がついた広島市のシンボルといってもいい存在である。この通りがF.F.の3日間パレードの会場になる。平和大通りはわがクリニックから200メートルほど南に位置しているので、この間は人の波に囲まれることになる。今年は3日間広島から離れるつもりである。

桃源郷

平成19年4月27日(金)
さわやかな日が続く。昨日などは午後河べりを歩けば、五月のようなさわやかな風を感じて実にゆったりとした気持ちになった。一年中で今がいちばんいい季節ではないだろうか。
こんな時節には腰に酒を入れたひょうたんをぶら下げて、尺八を持って桃源郷をめざして山に分け入るのがいいだろう。周囲は静かで木々の新芽の息吹が感じられる。適当なところで腰を下ろして酒を含み、尺八を吹く。心が洗われて浮世のしがらみなどすべて忘れ去る。その場所がすなわち桃源郷である。