カテゴリー 日々是好日

来月で17周年

平成26年8月18日(月)
盆休みの間はずっと天気が悪かったが、今日は久しぶりに晴れて真夏日のようだ。休みの間になまっていた体調も昼までには復調して、平常通りに戻り診療開始である。
平成9年9月に始めた当院も来月で17周年を迎える。17年というと長いように思えるかもしれないが、自分の感じではつい先日のようである。開業してからは、それまでの17年間と比べるとはるかに時間が経つのが早かった。きっと毎日いろいろなことが起こり、それらを調整したりしているうちにあっという間に時が経ったのだろう。この調子でいくと、残りの人生は瞬きする間に終わってしまうのだろうと思った次第である。
それも善き哉。

生物の不思議

平成26年8月1日(金)
人間の体にはまだまだ分からないことがいっぱいある、というよりわからないことの方が多い。医学は生物学を基本にしているが、生物学自体がわからないことだらけなので、病んだ状態を改善するためにどうしたらよいかと試行錯誤しているというのが実態である。原因がわかり対処法もわかり実際に治る病気というのはほんの一部で、多くは経験に基づく対症療法である。
人体は60兆個の細胞からできているというが、その細胞の核には遺伝子がつまっていて、次の世代につながるようになっている。さらに細胞の中にはミトコンドリアがあり、これが酸素を取り込み糖を分解してエネルギーを生んでいるので、ミトコンドリアがなければ細胞、ひいてはヒトは死んでしまう。このミトコンドリアを調べてみると、核の遺伝子とは別の自前の遺伝子を持っていることがわかってきた。この遺伝子は細菌由来のものであるという。つまり我々の体の細胞内には細菌の遺伝子が入り込んで住み着いているがゆえに生き延びてこられたのである。
実際に診療していて驚くことはしばしばというほどではないが見られ、そのたびに生物の不思議さを感じる。ヒト、生物の仕組みはどこまでも不可思議で興味がつきない。

最近の昼食(2)

平成26年7月11日(金)
以前にも書いたが開業して十数年、昼食に行く店は大筋では変わらないが、閉店や味・好みの変化などで微妙に変わってきている。ずっと通い続けている店もあるが、いつの間にかレギュラー店から入れ替わった店もある。
初めから変わらず通っているのは「小太郎(串焼き)」「讃岐屋(うどん、他)」「一楽章(カレー)」「とくみ鮨(鮨)」「中屋(あなご丼)」「天甲(てんぷら)」で、初めの3店はほぼ毎週!飽きずに通っている。あとの3店は1~2か月に1回ぐらい。今のレギュラー店は先の3店に加えて、「菊屋(とんかつ)」「こけもも(ビーフカツ)」であるが、じつにうまい。ただ、さすがに年を取ると食べられなくなるというか、以前ほどお腹がすいたという感覚がなくなってきているのはさびしいことである。
休日であれば「はっぴ(そば)」「ペロー(パスタ)」「そばきり吟(そば)」などに行くが、飽きない味でしばらくするとまた行きたくなる店である。おいしく食べられるうちが花なので、いつまで行けるかわからないができるだけ続けたいものである。

故宮博物院特別展

平成26年6月26日(木)
6月24日から東京国立博物館で台北国立故宮博物院所蔵の作品186点の公開が始まった。故宮博物院は一度は行ってみたいと思っていたが、なかなか機会がなくて気になっていた。10月7日からは福岡の九州国立博物館で行われるので、今回はそちらに行ってみようと思っている。
中国の歴史文化の粋ともいうべき作品のほんの一部でも、わが国で鑑賞できるのはありがたいことである。台北国立故宮博物院には、中国文化8千年の収蔵品があり、古代の青銅器から玉器、書画、陶磁、工芸品など65万点に及ぶという。北宋山水画、唐三彩、書、見たいものは山ほどある。今回の目玉というべき「翠玉白菜」は、写真でしか見たことがないが清・光緒帝の妃・瑾妃の嫁入り道具とされていて、白と緑の翡翠を材料に、キリギリスやイナゴを彫り込んでいる玉器である。残念ながらこの品は東京のみの展示で、九州では「肉形石」という玉髄と呼ばれる石の上面に毛穴のような点を刻して着色、トーロンポウそっくりの玉器が展示されるそうで今から楽しみである。

平均寿命世界一

平成26年5月16日(金)
WHOによれば2014年の世界の平均寿命1位は昨年に続いてまたもわが国で、なんと84歳だという。これは男女合わせた平均の寿命で、男性だけの平均は80歳、世界で8位。ちなみに男性の1位はアイスランドで81,2歳。日本の女性の平均寿命は87歳、昨年に続いて堂々世界一である。わが国が世界一になっているのは長生きしている女性のおかげである。
世界の平均寿命は70歳だから平均14年も長寿ということになる。なぜ長寿なのかはわからないが、周辺諸国や紛争地域などのニュースを聞くにつけ、あらゆる面でわが国は快適に生きていける稀有な国なのだと思う。環境、品性、歴史、食べもののおいしさと工夫、どれをとっても世界のトップクラスであり、それゆえ長寿世界一を続けていけるのである。ありがたいことである。

連休終了

平成26年5月8日(木)
連休も終わり昨日から診療再開、いつもの生活に戻った。連休中は法事で一日笠岡に帰った他は孫たちとゆっくり過ごすことができた。瀬野川公園でテニスをしたり、森のレストラン「ファームノラ」へ行ったり。ここは最近、一層人気が増しているようで、開店11時前に行ったのに先客がいて、その後続々客が来て、去年よりテーブルが増えているのに12時前にはほぼ満席になった。ここのボルシチはじつにうまい。鶏の燻製、パスタ、石窯ピザなどを森の中の手造りのテーブルで食べるのは気持ちがいい。立木を利用したブランコ、ドッグランの広場などがあり犬を連れてくる人も多い。夜は近所の焼き鳥屋「かんかんかん」で宴会。気がついたら体重が2キロ増えていた。これをどうやって戻すかが今後の課題である。

賑やかな一日

平成26年5月2日(金)
日曜日、岡山の友人夫妻が娘さん夫婦と孫2人を連れて我が家へ遊びに来てくれた。友人家族とは子供たちが小さい頃から毎年のように家族旅行をしていたので親戚のようなものである。次女が孫2人をつれて久しぶりに里帰りをしているので、皆で集まって旧交を温めようという算段である。近くに住む長女夫婦も2人の孫を連れてきて親・子・孫総勢15人、広くもない我が家は満杯である。6畳の和室2部屋のふすまを取っ払って子供や孫たちの宴会場所に。我々はダイニングルームでビール、ワイン、日本酒、昼前から夕方まで延々と談論風発。時々孫たちが歓声を上げて走りこんできたり、賑やかなひとときを過ごした。
友人一家と初めて一緒に旅行に行った時には子供たちはまだ小学生にもなっていなかったのに今は結婚してその当時と同じくらいの子供がいて宴会をしている。人生はくり返しくり返し過ぎていくというが、まさにそう思えるような感慨深い一日であった。

すばらしい西条の酒

平成26年4月25日(金)
国賓としてオバマ米大統領が来日しているが、初日の夜は安部首相が以前この欄にも書いたミシュラン三ツ星の鮨店「すきやばし次郎」でもてなし、オバマ大統領をして「生涯最高の鮨だった」と言わしめたという。その際に供された日本酒は広島が誇る西条の酒、金の花びら入り「加茂鶴ゴールド」で、お土産は山口県の酒「獺祭」と江戸切子のグラスだった。
いい水といい米、受け継がれてきた酒造りの伝統技術のおかげで、日本の風土に合った日本酒が飲めるのは幸せなことである。どれもうまいが数ある酒の中から「加茂鶴」と「獺祭」が選ばれたことは、じつにうれしく名誉なことである。西条にはいい酒を造っている醸造元は他にもたくさんある。これからもいっそうおいしく飲めると思えば頬がゆるむ。

一瞬の桜吹雪

平成26年4月3日(木)
木曜日なので午後からは休診、暖かい花見日和に誘われて中央公園西の本川土手にみごとに咲いた桜の下でコンビニで仕入れた弁当とビール、対岸の桜もみごとで気持ちのいい時間を過ごすことができた。満開を過ぎた桜はもう散り始めており、春風が吹くと花びらが舞い下りてきて芝生に毛氈を敷いたようになってまことに風情がある。休日ではないので人も多くなく皆のんびりと最後の桜を楽しんでいた。ハトが寄ってきたのでつまみの枝豆を小さくくだいて撒いてやったら先を争ってついばむことしきり。そのうち豆がなくなったら一斉に飛び立ってどこかへ行ってしまった。
このようなおだやかな春の日をこれから何度も味わえるとは思えない。「今」を心から楽しむことができて良かったと引き上げて帰ったら夕方から雨になった。まさに一瞬の楽園であった。人生は常に「今」しかないのだと改めて思ったことである。

節酒のすすめ

平成26年3月28日(金)
元来、アルコールに弱いのに好きである。生来の食いしん坊なので、おいしく食べるためにアルコールをたしなむという面はあるが。1カ月前から下肢不快感があり、手術する前の静脈瘤の症状に似ていたので再発を疑った。アルコールを多めに飲んだ翌日に症状が起きるようなので、しばらくアルコールをひかえてみたが若干違和感があるようなので、4年前に下肢静脈瘤の手術をしていただいた逓信病院の杉山医師に診てもらうことにした。
最悪、深部静脈瘤→血栓症を覚悟していたが、下大静脈から両下肢の静脈までエコーで丁寧に調べても異常はないとのこと。とりあえず安堵したが完全に症状が消えているわけではない。やはりアルコールを控えるのがいいだろうと思う。歳と共にやめたり控えたりしなければならないことが増えてくるのは仕方がないことである。タバコは十数年まえに止めた。ゴルフは腰痛のためあきらめた。アルコールはこれから控えるつもりである。次はなんだろうか。