平成17年2月25日(金)
人にはそれぞれの才能や性格にあった生き方があり大ざっぱに分けて、攻撃的に前へ前へと進むタイプとあまり無理せず分にあった(と自分で思う)やり方をするタイプがあると思う。
私自身は時にはもっと積極的に前へ進んでもいいのではと思うことがあるが、本質的に後者である。積極的に前に進むタイプならクリニックを始めた場合、まず小さなクリニックからはじめて集客に励み利益をどんどんあげて大きくし、人を増やし病院にして付属施設を増やし一大コンチエルンをつくるのが理想かもしれないだろうし、商売を始めたなら客を増やし支店をつくり一大チェーンを築き上げるのがいいと思うだろうし。もちろんこういうことができるのは才能と運、なにより人間の器が必要で、成功すればそれはそれですばらしいことだろう。でも自分にはそういう才能もないし、そうなった時の自分を想像してもピンと来ない。たとえそうなったとしても心から満足できるようには思えない。
やはり自分は目の前の一人ひとりの患者さんに、自身で責任のとれる範囲内の人数を一人ひとりの顔を見ながら診療するのが好きだし性に合っている。当院を受診してよかったと思ってくれる人が一人でも増えれば、このうえない喜びなのである。
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私のやり方
順調な外来の流れ
平成17年2月12日(土)
二月ももう半ばになった。二月は逃げる、三月は去るというが、日がたつのは実に早いものである。今日は朝から処置を含めてちょうどいい感じの流れであった。忙しすぎず暇すぎず、ベストの状態である。いつもこうであればいいのだがなかなかそうはいかない。
当院はよろず相談所のようなところもあり、大きい病院に紹介した患者さんや妊婦さんが「病院でこんなことを言われたがどうなのでしょう」とか、ここには書 きづらいようなさまざまな相談が持ち込まれることがある。時間があるときはゆっくり対応ができるが、そうでなければ困ることもある。そういうことにも時に対応しながら、順調に進んでいくのがいいペースの外来なので今日は良かったと思う。
「如月」という言葉の美しさ
平成17年2月1日(火)
久しぶりの大雪である。日本列島に寒波が押し寄せているようだ。駐車場の車が雪をかぶり前面が凍っていたので水をかけて溶かして前が見えるようにしたが、 このように凍ったのはこの冬初めてのことだった。昼間もずっと雪が舞っており「タクシーに乗っていたら追突されて腰を打ったので診て欲しい」という妊婦さんが来院された。妊娠には問題なかったのでよかったが、こういう日は道路が滑るので実に危険である。
今日から月が替わって二月である。二月は如月(きさらぎ)ともいうが、一年のうちで最も寒いので着物を重ねて着るという意味の衣更着(きぬさらぎ)から起 こったという説と、木や草の芽がはり出す月という意味の木草発月(きくさはりつき)が変化したとする説があるが、いずれにしても風情のある呼び方である。実際最も寒い季節なので、衣更着の説の方を支持したくなる。英語でも二月のことをFebruaryというが一、二と数で呼ぶよりもだんぜんいい。日本の場合は四季に一致して起こったそれぞれの月の呼び方は旧暦のものであり、太陽暦とは約一ヶ月ずれているために実際の季節と異なる時期があるのでやこしい。節分(2月3日)の翌日が立春であるが、旧暦では元旦前後に立春があったという。旧暦の元旦は今の2月の初め頃に相当するから季節としては今の節分に一致する。
いずれにしても歴史に由来した呼び方や言葉はこれからも残るだろうし、残って欲しいと思う。なによりもこれらの言葉は美しいから。
アナフィラキシー
平成17年1月7日(金)
午後の診療開始早々、抗生物質を1錠飲んでアレルギー反応の出た患者さんがおられた。今我が国で最も広く使われている抗菌剤のひとつで、10年以上多くの人に処方しており特に問題なく、今回も午前中の外来で処方したのであるがこのようなことは初めてであった。内服後顔が紅潮し、気分が悪くなり呼吸音に軽い喘鳴が認められた。この症状は内服30分後ぐらいで起こり、すぐに来院されたのだ。血圧・脈拍は正常であったが、内科の先生に診察を依頼したところ、念のため救急車で市民病院の救命救急へ移送することになった。その後移送先のドクターから「おちついてきてもう大丈夫と思うが念のため一晩入院してもらいます」との知らせがあった。そして翌日の午前中に問題なく退院となった。
アレルギーは恐い。たとえ10万人に問題なくても10万1人目に起こることがあるのだ。今まで一度もなかったからといって、今後もないとはいえないのである。アレルギーにはいつも注意しているつもりであったが、今回はまさかと思うような出来事であった。実は私自身アレルギー体質があって同じような経験をしたことがあるが、その時は解熱鎮痛剤で同じような症状が出て本当に苦しかったが、5~6時間するとおさまって事なきを得た。初めての薬であればその薬に対するアレルギーの有無は、使ってみないとわからないのである。
今後は薬の処方に対しては一層注意していくつもりであるが、アレルギーは恐いと改めて感じた年頭であった。
一年をふり返って(平成16年)
平成16年12月27日(月)
今年もあとわずかになった。当クリニックも今日と明日のみで、29日から1月3日まで正月休みとなる。3日以上連続して休めるのは文字通り盆と正月だけで ある。だからこの貴重な休みは、できるだけ家族旅行をするようにしていた。でも子供たちが成長するにつれて、なかなか全員参加が難しくなり、今ではあまり行かないようになってしまった。
そこで、今年は「北海道にスキーに行く」と宣言し、久しぶりの全員参加の旅行となる。友人家族も参加し総勢8人の予定である。友人家族は皆スキーがうまいが当方は全員初心者である。私としては、広島のスキー場にはないなだらかな長いコースをゆっくり滑ることができれば、と思っている。家族全員参加の旅行な どもうできないかもしれないので、ゆっくり楽しんで来るつもりである。
今年の総括。昨年は入院して手術を受けるなど結構大変であったが、今年は落ち着いて仕事をすることができた一年だった。飲む機会も多かったが、これはご愛 嬌。「診療日誌」なるものを書くことによって、考えをまとめることができてよかったと思う。あとで読み返してみると、その時々の思いがよみがえって来てなかなかいいものである。来年も続けるつもりなので、皆様どうかよろしくお願いします。今年一年ありがとうございました。
医療施設過密地域
平成16年12月6日(月)
私が開業している場所は医師会での地区分類では袋町東地区という区域(広島市中区を10余りの地区に分けたうちの一つ)であるが、驚くなかれ43施設の開業医院(病院を含む)がある。これは私の出身地笠岡市の全体の医療施設の数とほぼ同じである。なんという過密地域だろうか。なにしろ袋町東地区の範囲は歩いて東西5分、南北10分ぐらいの広さである。広島市でも最大の医院過密地区だと思う。ということはおそらく中国・四国地方で一番過密だということになる。なぜこんなことをいうのかというと、地区医師会の忘年会があり名簿が配られたのを見て改めてその数の多さに驚いたからである。
広島市中区はわが故郷笠岡市北川(以前は村だった)と同じぐらいの広さである。その北川地区にある医院は以前は2施設で今は1施設ではないかと思うのだが、医療施設の集中と分散の差にはすごいものがある。改めて驚いた次第だ。
藤城誠治のレフグラフ
平成16年11月1日(月)
今日から11月だ。昨日は昼から雨が降り、テニスが雨天中止になった。もっとも午前中に3試合はできたが。午後からは下関に行ったときに見つけていた藤城清治のレフグラフが届いたので、クリニックの診察室に掛け替えておくことにした。前の絵は開業したときに同業の先生から頂いてずっと掛けていたのだが、気分一新のためである。さすがに気に入って手に入れただけあって、診察室の雰囲気が違うように感じる。今日は朝から時々絵をながめてニタッとしている。事情を知らない人はいささか不気味かもしれない。影絵で有名な藤城清治の作品は小さいころから教科書でも見たことがあったが、レフグラフという技法でたくさん作られるようになったのである。原画などとても手が出ないがレフグラフならちょうど良い。もう一枚ぐらいあってもいいかと思っている。
芸術の秋である。音楽はもともと好きであったが、絵画はあまりよくわからなかった。ところが年をとるにつれて絵もいいと思うようになってきた。フェルメー ルの絵などは写真でしか見たことはないが、一度実物を見たいと思う。時々日本でも展覧会をやっているようであるが、なかなか行く機会がないのが現実である。がんばって行けるように仕事をしよう。
いつもと同じ
平成16年10月25日(月)
昨日は広島市の当番医だったので一日中クリニックを開けていた。患者さんは普段より少ないため半分の人数で対応したが、非常に暇だった。いつも当番医のときは患者さんが少なく、広島市全体で平均1日10人だそうである。他の科は平均40~50人位だそうである。産婦人科の患者さんは、行きつけのところに行く傾向がつよく、妊娠関係はお産する病院がフォローするので当番医は必要ないのではないかと思う。
本日はいつもと同じでいいペースある。夕方交換前のパソコンのデータの入れ替えが終わり、ホームページの更新もできるようになった。とりあえず更新しておくことにする。
パソコンのいれかえ
平成16年10月20日(水)
とうとうパソコンを入れ替えた。問題はデータの移し変えであったがなにしろさっぱりわからないので、ホームページを作る時に教えてもらった専門家に頼んだ。都合もあって今週中にできればよいとのこと。したがって、ホームページの更新は来週以降になるだろう。ほっとしたようなさびしいような。
今週はいつもと比べて患者さんが少ないようだ。台風のせいかもしれないが、結局会合の後飲みに出た。今年は台風の日はすべて飲みに出たことになる。ご苦労なことだ。
パソコンの調子が良くない
平成16年10月14日(木)
パソコンのハードディスクの調子があまりよくない。動きが遅くいつ止まるか心配である。ソニーのVAIOなのだが、買って5年になる。動きが遅いのはクリ ニックのパソコンであるが、自宅で使っているのも機種はやや異なるが同じVAIOである。自宅のパソコンはある日全く動かなくなり、結局ハードディスクを 交換したら使えるようになったが、住所録など全部ダメになった。VAIOのハードディスクが壊れやすいのかそもそもパソコンの寿命はこんなものなのか。
なにはともあれ、早くなんとかしないと困ることになりそうである。