草野心平「さくら散る」

平成18年4月4日(火)
昨日から暖かくなってやっと桜が咲いた。先週の土曜日からこの日曜日にかけて天気がよくなかったので、桜の開花宣言が出たのはだいぶ前だったがなかなか咲 かず、花見をしようと思っていた人たちにとっては残念な週末だったのではないだろうか。私自身、桜は満開の時よりも散り始めた頃の方が好きである。一瞬の生の歓喜とそのはかなさが感じられるからである。
草野心平という詩人に「さくら散る」という作品がある。「はながちる/はながちる/ちるちるおちるまいおちるおちるまいおちる/光と影がいりまじり/雪よりも死よりもしずかにまいおちる/光と夢といりまじり/ガスライト色のちらちら影が/生まれては消え/はながちる/はながちる/東洋の時間のなかで/夢をおこし/夢をちらし/はながちる/はながちる/はながちるちる/ちるちるおちるまいおちるおちるまいおちる」今週末には桜吹雪に出会えるだろうか。