老化と治療

平成22年6月16日(水)
梅雨入りしたが、W杯でカメルーンに勝ったので大騒ぎである。にわかサッカーファンが増えるだろう。岡田監督も試合前は散々な評価だったのが、一夜で名監督になった。まことに勝負の世界は「勝てば官軍」である。
宮崎の口蹄疫の封じ込めはなかなかうまくいかないようだ。そういえば新型インフルエンザの流行も、防ぐことはできなかった。政府もできないことは約束しない方がいい。それより防げないことを前提に、被害を最小限にするような対策を考えた方がいいと思う。感染していない牛まですべて処分するのは、間違っていないか。食料にしてこその肉牛である。
「がん撲滅」などとできもしないことを言わない方がいい。さらに言えば「老化」を病気にしない方がいい。いま「生活習慣病」と言われている病気?は、ほぼ「老化」による状態の変化である。かつて「成人病」といわれていたのがいつの間にか「生活習慣病」といわれるようになったが、実態は「老化」である。近藤誠氏が警鐘を鳴らしているが、完全に無視されている。昔から権力者をはじめ人々は、老化を防ぎ、永遠の命を手に入れようとしてきたが、ことごとく失敗した。現代医療費の多くは、この「老化」の治療費である。苦しい状態や痛みに対する緩和は絶対に必要だが、「老化」そのものは治療の対象にすべきではない。それらの費用は介護にまわすべきだと思う。