令和2年11月20日
ほぼ1年ぶりに厳重な感染予防策のもとに上記の演題の講演が行われた。普段なら会場は一つで、それでも余裕があるのだが、4つに増やして一部屋当たりの人数を制限して行われた。第1会場のみ演者と座長がいて、他はリモートである。幸い第1会場に入れて直接講演を聞くことができた。高知大学医学部産婦人科教授、前田長正氏による講演で、子宮内膜症の原因、経過、治療への新しい視点でのアプローチをしたユニークで素晴らしい講演であった。
子宮内膜症は月経血の腹腔内への逆流が原因で起こるのがメインであるが、免疫応答の違いが発症の差になっていることを実際の映像を通して見せてくれた。基本に最近の第1子出産年齢の上昇と、出産回数の減少が大きな原因になっていることである。50年以上前は平均出産回数は5回で流産もあり、一生を通じて月経は50回だったが今は平均出産回数は2回、月経は450回だという。子宮内膜症が増えるわけである。
それならば月経の回数を減らせば防げるわけで、ピルを連続で内服して月経を起こさないようにすればいいのである。自分がいつも言っていることの整合性が一層強化されたと思った次第である。