平成16年10月9日(土)
40代後半から50代にかけて、のぼせやほてり発汗などがおこって気分の落ち込みも見られるのを更年期障害というが、この治療にHRT(ホルモン補充療法)が行われてきた。以前から日本では漢方薬なども用いられていたが、いまひとつ切れが良くなかった。欧米では女性ホルモンを使用することにより、更年期障害の著しい改善がみられたので広く使用されるようになった。我が国ではホルモンに対してなんとなく拒否反応があったが、医師が勧めマスコミでも有用性が言われるようになると次第に広く使われるようになってきた。
ところが、最近米国と英国でおこなわれた大規模な検査で、長期間のHRTは乳がんになる可能性が2倍になるとの結果が出たため、HRTは短期間で使用するという申し合わせになった。ただし大腸がんは3分の2になり、骨には有効で総合的に見て寿命は変わらないとのことであった。
以前はHRTの長所ばかりが喧伝されて、おもに欧米で使いまくられていたのに一転してあまり使わないようにとのことだが、生命予後が変わらないのであればHRTによって症状が改善して快適に過ごせるなら使うべきだろう。