夏に増える中絶

平成24年8月3日(金)
例年、夏になるとなぜか妊娠中絶の依頼が増える。6月から8月にかけて増えるようである。女性はだれだって中絶などしたくないであろうが、やむにやまれぬ事情があって仕方なしに来院されるのだと思う。だから努めて事務的に手順などの説明をすることにしている。
昔、大学病院にいたころ、市内某病院に夏休みをとった医師の応援で診療の手伝いに行ったことがある。その時中絶を希望して来られた人を、外来の婦長さんが別室に呼んで、中絶を考え直すように説得しているのを見て驚いたことがある。まさにいらぬお節介である。考えた末に勇気を出してやっとの思いで来られているのに、初対面の婦長が説得しようという、説得できるというその思いあがりが不快であった。一時の応援という立場なので黙っていたが、いい年をしていろんな人がいるものだと思ったことである。
処置が終わって1週間後に来院してもらうようにしているが、その際さりげなくピルを勧めるようにしている。ピルは避妊方法としては最も有効だし、他にも生理痛の緩和などいいことが多いからである。中絶を期にピルを飲み始める人は2~3割といったところである。