妊娠・出産に関するアンケート

平成19年2月27日(火)
厚労省委託のアンケートに答えを書いていていろいろ考えさせられた。
妊娠・出産に関するアンケートで、不妊治療や代理出産、育児に対する考え方などたくさんの設問があり、それらに対して専門家としてどう思うのかという問いである。さらに、それらの設問に続いて「あなたが当事者ならどう思いどうするか」と問いかけており、それが前の同じ設問の答えと違っていることに気がつき複雑な思いをしたのである。
たとえば妊娠を望むカップルのうちの男性が無精子症で妊娠させる能力がない場合、他人の精子を使った人工授精は認めるか、という設問には当然「認める」と答えたが、「それではあなた自身がその立場ならどうするか」との設問にはたと考えてしまった。実際にその立場になってみないとわからないが、自分ではそこまでして子供が欲しいとは思わない。子供がいないのも一つの生き方だと思うからだ。でも、もしパートナーが強く希望していたらどうだろう、あるいは代々続く名家の唯一の跡取りだったら自分の代で途絶えるのは先祖に申し訳ないと悩むだろうし、自分だけの判断では決めかねる場合があるだろう。
専門家としての考えと自分ならどうしたいかとの齟齬を感じたことであった。