西田俊英「不死鳥」展

令和7年10月17日
新見(にいみ)美術館で開かれている開館35周年特別展に行ったが、その絵のすばらしさ、凄さに言葉もないほどだった。西田俊英氏は現代日本画壇を牽引する名前通りの俊英で、2,000年には広島市立大学芸術学部の教授を務めながら、数々の作品を発表している。2,012年からは武蔵野美術大学の教授を務めている。
今回の作品は、西田氏が屋久島に1年間移り住んで取材し、人間と自然の共生、生命の循環をテーマにした巨大日本画「不死鳥」を制作している途中までの成果を、ひと続きの絵の中で表している。完成すれば縦2.5メートル、長さは100メートルになる大作である。全部で六章からなる壮大な絵巻物で、今回の展示は第一章「生命の根源」第二章「太古からの森」第三章「森の慟哭」までであるが、心を鷲摑みされるような凄さに圧倒された。新見美術館は岡山県の西北部、小さな美術館なので、ありがたいことに観客も少なくじっくり鑑賞することができた。六章すべてが完成したらおそらく東京の美術館に展示されるだろうが、多数の人が押し寄せると思われる。今が絶好のチャンスである。ぜひ行ってほしい。