「四十年の真実ー日航123便墜落事件」

令和7年7月17日
表題は以前にも紹介したノンフィクション作家・青山透子氏の集大成ともいうべき最新作である。氏の記述は証明できるものと事実のみを調べ、時系列に沿って記述し、その中で矛盾することがあれば徹底的に調べ、膨大な時間を使って真実を追求しようとしていることがわかる。この姿勢は故森永卓郎氏も絶賛していたが、これらはすべて日航123便に乗っていた客室乗務員時代の同僚と何の罪もない乗客合わせて520人の死への弔いのために青山氏が40年に渡って声を上げ続けている魂の書ともいうべき作品である。
日本航空は墜落した123便の生のヴォイスレコーダーを絶対に公表せず、事故調査委員会も相模湾に落ちた尾翼を探すこともしない。それらを調べれば真実はわかると思われるが決してせずうやむやにしているだけである。遺族は真実が知りたいのである。たとえどんなに理不尽なことが行われていても、真実を公表して謝るべきところは謝り、責任を取るべきところは責任をとることが人間として必須のことだろう。遺族の中にも納得できなくて最高裁まで追求した人もいたが、突然裁判官が変わり差し戻しになったこともあった。
この重大事故を明らかにしないままでは、信義を大切にしてきた日本は終わってしまうのではないだろうか。