令和6年6月14日
表題は数学者藤原正彦氏の著作である。氏は日本人にとって日本語は最も大切なもので、情緒を育てるのも優しさやあわれを感じるのも、美しい日本語あってのものだと以前から述べている。そのなかで、氏の好きな日本の歌を紹介しながら自らの生い立ち、体験を織り交ぜて解説している。私にとって氏は自分より9歳年上なので、共通する好きな歌は一部しかないけれど、どれも気持ちが伝わってきて共感させられる。
「ぞうさん」「たきび」など自身の幼少の頃の思い出と共にその歌を味わっている。「花の街」江間章子作詞・團伊玖磨作曲の歌は私が高1の時、音楽の時間に習った曲で、非常に好きな歌であるが藤原氏もお好きなようである。さらに「琵琶湖周航の歌」「別れの一本杉」「22才の別れ」「なごり雪」「ふれあい」「踊子」「月の砂漠」「秋桜」「学生街の喫茶店」なども共通の好きな歌である。これらは歌詞を見るだけで当時を思い出して懐かしくなる歌たちである。