人工妊娠中絶薬について

令和5年2月2日
現在、人工妊娠中絶薬ミフェプリストンについての審議が行われている。この薬は30年以上前にフランスの製薬会社ルセルが開発したもので、RU486と称されて動物実験を経て人に適応されるようになった。当時、属していた研究室で後輩がこの薬をマウスに使い薬の血中濃度の変化を調べ、ほぼ妊娠中絶できることを確認し学会で発表した。その後フランスでは一般に使われるようになったが日本には入ってこなかった。現在は妊娠9週までは使われるように審議されているらしい。
妊娠を継続する必要なホルモンであるプロゲステロンの受容体に結合して流産(中絶)させるので、早い時期ほど効果がある。問題なのは流産が始まると痛み、出血などが起こり不安になって受診したくなることが多いと思われるが、24時間対応の医療機関以外では対処できないことである。また一部遺残することもありその場合は手術が必要になる。だからこの薬は着床した後せいぜい2週間ぐらいの間に使うべきで、それなら生理と同じような出血で済むだろう。これが本当のアフターピルである。承認するならこの条件ですべきと考える。