平成31年4月4日
表題はオフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨氏と長浜バイオ大学教授の永田宏氏の共著で、生命保険・健康保険・貯蓄保険などについてこれらの保険が必要なのか、契約者が損をしていないかなどを解説している。生命保険は子供が小さい頃や家のローンが残っているときには必要だが、その心配がなくなれば必要ないものがほとんであることが結論であるが、保険会社が薦める他の保険についても詳しく述べている。
これらの内容は、生命保険に関して自分が思っていたこととほぼ同じだった。著者の後田氏は日本生命で営業職を10年勤めた経験もあり説得力のある内容であった。生命保険は特約の付かない掛け捨てが良い、最強の医療保険は「健康保険」である、貯蓄・運用目的の保険はいらない、介護保険に勝る現実的方策、など不安をあおって売り上げを伸ばしている現在の保険業界への対処法をわかりやすく解説している。不安をあおるのは現代の医療と同じ部分があり、がん検診や健康診断などはまさにそうである。がんの死亡数はほとんど変わっていないのに検査したために発見が増えているのが男性では前立腺がん、女性では乳がんと子宮がんである。多く見つかるのなら死亡数が減るべきなのに変わらないとはどういうことか。医療の世界を念頭におきながら興味深く読ませてもらった。