平成27年5月29日(金)
表題の本は角界最小兵ながら「平成の牛若丸」「技のデパート」の愛称で活躍し、小結まで昇進した力士、舞の海秀平氏の著書である。現在はNHK大相撲の解説やテレビ、講演など幅広く活躍されている。
氏は相撲の盛んな青森県出身で小学時代から相撲が好きで強く、将来は大相撲の力士になるのが夢だったが、身長が伸びず随分苦労したことが書かれている。中学時代に一度相撲をあきらめかけたことがあったが、それ以降はどんなことがあっても決して諦めず、人一倍の努力と工夫でプロになり活躍するようになったことが、淡々と綴られている。これを読むと、スポーツに限らずどんな分野でも素質よりも精神のありようが最も大切であることを教えられる。
舞の海氏の著書を読めば、なぜ日本人は横綱になれないのかが分かる気がする。精神のありようが白鳳関の方が日本人力士より強いのだろう。そういえばテニスの錦織圭選手のランキングが上がったのも、マイケル・チャン氏がコーチになってメンタルの強化があったおかげだと言われているが、真実なのだろう。
舞の海氏のような精神のありようなら、どの分野でもきちんとやっていけるに違いない。