井川 樹著「ひろしま本通物語」

平成25年8月22日(木)
本通りの近くに開業して16年、いつも身近に感じていた「本通り」の本が出版された。著者は広島に住んで30年、広島一、中四国一の商店街でもある「本通り」を愛する一市民、消費者として著したという。
「本通り」は旧山陽道「西國海道」にほぼ重なっており、現存する最も古い赤松薬局は、広島城が築かれた1615年に現在の場所に店を構えている。浅野家の広島入府に従って、和歌山から大勢の商人が追随した。とらや、みたや、てんぐ、永井紙店、おくもと、などがそうである。当時から商業地として栄えており、明治、大正、昭和と次第に現在のような商店街になってきた。原爆による壊滅にもかかわらず、関係者をはじめ多くの人の努力により復活し、週末ともなると1日10万人が繰り出す繁華街になっている。クリニックの近くにある「アンデルセン」は本通りのランドマークとして、買い物、食事、会合などに重宝している。
他にも「本通ヒルズ誕生の秘密」「ひろしま夢プラザはなぜ成功したか」「裏袋から見た本通り」などの章があるが、興味深いのは本通りの商店を克明に記した地図が、「被爆前」「昭和32年頃」「平成12年」「現在」と時代別に掲載されており、商店そのものの変遷が一望できることである。開業したばかりの頃足繁く立ち寄っていた「丸善」もずいぶん前になくなった(最近、天満屋の跡に復活しているが)。この店は3階まである本屋だったが、2階には紳士用品の店と本通りを眺めながらうまいコーヒーの飲める喫茶室あり、よく利用したものだった。こんなことを思い出すことができたのも、この本のおかげである。