腫瘍マーカー

平成23年4月9日(土)
健康診断(ドック)に「腫瘍マーカー検診」という項目がある。かつて結構流行っていたが最近ではすたれていたのかと思っていたら、オプションで行われているらしい。異常値が出たということで心配して来られた患者さんが複数おられた。もちろん婦人科的にはなんの異常もみられなかった。
これらの検査を健康診断に使うのはいいこととは思わない。むしろ異常値が出て心配する人が増えるだけである。正常値とは、100人の正常な人の検査の値のうち、95%の人が入っている範囲をいう。だから正常な人でも5%は異常とみなされるのである。
腫瘍マーカーは実際に発症して治療を受け、その後のフォローには有用な場合もあるが、健康診断ではいたずらに不安を持つ人をつくるだけである。医師自らが本当に有用と思ってやっているのだろうか。はなはだ疑問である。