メタボ健診

平成20年6月28日(土)
40~70歳の人に特定健診(メタボ健診)が義務付けられた。この健診が将来の医療費を抑制できるということで始めることになったようだが、まさに見切り発車である。健康診断(ドックも含む)そのものが生命予後を延ばすとの検証もいまだないにもかかわらず、(延ばさないという論文ならいくつもある)追い討ちをかけるようにはじめられたのである。医療機関にとってはいいかもしれないが、普通に生活している人には迷惑な話である。
病んだ人、病に苦しんでいる人をすこしでも癒すために我々は存在するのだから、今困っている人にこそ時間と人手をかけるべきである。医療機関の数も医師・スタッフの数も限られた中で、健診にそれらを使うのは本末転倒である。本当に困っている人の視点から考えればおのずと答えは決まっているように思う。「過ちては改むるに憚ることなかれ」「君子は豹変す」という論語や易経の言葉に従って、改めるべきであろう。