緊張の尺八演奏会

平成19年11月15日(木)
アステールプラザでの尺八演奏会が近づいてきた。あんな大きなホールで人前で演奏するのは初めてなので今から緊張している。まだ人前で吹けるほどうまくないのに、上達するためにも出なさいというお達しにより覚悟を決めたわけである。
問題点その1。当日、ちゃんと音が出るかどうかが心配である。なにしろ尺八は本当に音が出にくい楽器で、初心者の大半はこの時点でやめてしまう。さらに緊張すれば唇が渇いていっそう音が出なくなる。問題点その2は紋付袴を着て演奏しなければならないことである。着物を着ること自体、日常生活にないのに、慣れないことをするのは気が重い。正座するので足がしびれることだろう。問題点その3。楽譜を見るための譜面台を使うことは伝統的に禁じられており、床に広げるので実に見にくいのである。尺八の楽譜はカタカナのロツレチハが縦に書いてあり、字が小さく読みにくい上に、最近は視力も落ちていていっそう見えないと思われる。
これらのことを考えていると、やるぞという気持ちがなかなか起きてこないが、昨日一緒に出演される大先輩に偶然街中ですれ違った時、何十年もやっておられるのに、演奏のことが頭から離れず緊張しているとのお言葉を聞き、少しだけほっとしたことである。きっと緊張しているだろう初心者の気持ちをほぐしてやろうという、やさしい心遣いをしてくださったのではなかろうか。