石川利光氏の演奏会

平成18年3月20日(月)
先日、久しぶりに尺八の演奏会に行った。神戸在住の石川利光という演奏家の会で、内容も良く満足のいく演奏であった。ピアノ伴奏との息もピッタリ合って、 なかなか良かった。ただ、わずか60人ぐらいの観客のほとんどが関係者で、一般客は少ないようであった。この人数では演奏会としてはペイしないのではと心配になった。また、尺八がいかにマイナーな楽器であるかを再認識することとなったのは皮肉なことである。
南米のケーナや英国のバグパイプの方がまだ世界的にはメジャーなのかもしれない。尺八の良さがわかってきた自分としては非常に残念なことである。思うに明治時代に西洋に追いつけとばかりあせったために、音楽は西洋音楽一辺倒になり、和楽器は義務教育から省かれてしまったことが衰退の大きな原因ではないだろうか。和太鼓、三味線、琴、横笛、尺八など我が国の歴史と伝統のある音楽が軽んじられて、西洋音楽がまるで高尚なブランドのようになってしまったのである。我が国の西洋音楽の基礎をつくったともいうべきあの夭逝した滝廉太郎は、尺八の名手だったそうだ。