本川達雄著「おまけの人生」

平成17年10月28日(金)
「ゾウの時間ネズミの時間」を読んで以来ファンになった生物学者、本川達雄氏の最新エッセイ集「おまけの人生」を見つけた。読んで共感を得る部分が多くますますファンになったのであるが、その中に著者が永平寺が主催した「道元フォーラム」に呼ばれて講義した内容が載っていた。これがすばらしいもので、時間についての著者の生物学的思考と道元の「正方眼蔵」に述べられた哲学との重なるところを解説しており、あらためて曹洞宗の開祖である道元は偉大な哲学者でもあったのだと思った次第である。
歴史に名を残すほどの人物はやはりすごい。さらにそれを自分の言葉で解説している著者もただものではない。世の中には我々凡人にははかり知れない巨人ともいうべき人がいっぱいいるものだと思った次第である。