やせ過ぎはよくない

平成17年9月16日(金)
最近生まれる赤ちゃんの体重が減ってきている。この20年間で平均200グラム減っているそうだ。胎児の体重が減るということは胎内環境がよくないことであり、その原因の多くは最近とみに激しくなっている「ダイエット」だそうである。我が国では女性の「やせ願望」が強く、BMIで「やせ」の範疇の20代の女性の割合は20年前の2倍になっている。30代の女性も同様にほぼ2倍になっている。加えて我々産婦人科医のなかにも妊婦健診の際に、体重が増えると怒りまくる医師もいると聞く。
成人病胎児期発症説といって、高血圧・糖尿病などの成人病は胎児期にその素因がつくられるのだという説が提唱されており、世界中で注目されているそうである。それが正しいかどうかはこれからのことだが最近の「やせていれば美しい」という風潮はなんとも不自然である。せめて我々はやせすぎに対して警鐘を鳴らしていかなければならないと思う。