平成17年5月25日(火)
私の故郷の村には2軒の医院があった。今では1軒は廃業しており、もう1軒は息子さんがあとを継いでいるとか。息子さんが跡を継いでいる医院のU先生はもう90歳ぐらいになっておられると思う。子供の頃から何かあると診てもらいに行った。祖母は心臓が悪かったのでいつも往診してもらっていた。まさに地域に根付いた大切な医院であった。今から考えると思慮が足りなかったと思うのだが、医学生の頃はそういう先生を田舎医者だと考えて、今自分たちが学んでいる最新の医学が優れているなどと不遜にも思っていた。
今になると、最新の医学を知ろうが知るまいが人間の寿命に大差はなく、病める人にやさしくできる人が医者になるべきだとわかる。きっとU先生はやさしい先生だったのだろう。もし機会があればお会いしてお話を聞いてみたいと思う。