保険証の使いまわし未遂

平成17年4月25日(月)
昨日は天気も良く久しぶりにテニスで汗を流すことができた。腰痛も起きずありがたいことであった。
2年前に当院で処置をした(カルテによると)患者さんが来院した。顔は覚えていなかったのだが、どうもいまひとつ話がかみ合わない。予診表の記載を見ると 2年前の字と筆跡が違う。あげくに診察をする前に急用を思い出したと言って帰ろうとする。そこで、あなたは本当に2年前に来た人かと聞くとそうだと答え、 なんなら身分証明書を見せようかと言う。筆跡が違うことを指摘すると、会社勤めをしていたので字を練習して変わったのだと言って風のように去って行った。 うわさには聞いていたが、保険証を皆で使いまわす人たちが現実にいるのである。今までにもいたのかもしれないが、気がついたのは初めてである。語るに落ちることだが、看護婦さんに「ここの先生は女医さんではないのですね」と言ったそうだ。
今回は実害はなかったが、初診の場合は保険証の本人かどうか確かめることは難しい。いちいち、免許証を見せてくださいとは言えないからだ。本人の申告を信 じるしかないのが現実である。ほかの医療機関もそうだろうが、当院は期限切れの保険証を使われて随分実害を受けている。本人が期限切れをうっかりしていた ケースもあるが、わかっていて使う確信犯もいるようだ。基本的には性善説で行っているので本人の言葉を信じているのだが、時々ごまかしているケースを見る と、悲しいことだが性悪説で人を見ることも必要ではないかと思ってしまう。