平成17年2月8日(火)
英国狂牛病(BSE)由来のヤコブ病で日本人患者さんが一人亡くなったとのニュースがあった。非常に気の毒ではあるが、今回はそれほどの騒ぎにはなっていないようだ。以前の米国産の牛肉の輸入中止のときはすごかった。あのときの騒ぎはいったい何だったのだろうか。
そもそも狂牛病の牛が18万頭もいる英国ですら、さらに言うと脳みそを好んで食べる英国ですらそれが原因のヤコブ病は153人しかいないという。一方、狂牛病とは関係ないが同じ症状を示すクロイツフェルド・ヤコブ病では毎年日本で100人前後の人が亡くなっており、全世界では毎年1万人前後の人が亡くなっているとのことである。こちらの方がはるかに恐い。マスコミも騒ぎすぎだし、その流れにのって米国産の牛肉を輸入禁止にした政府もいったい何を考えているのだろう。こういうときこそ専門家がきちんとデータを出して、徒に恐がらせないようにするべきだろう。以前のダイオキシン騒ぎの時もそうだったが、いつも最初にマスコミが煽ってそこに政府のやることは何でも反対する声の大きいひとたちが騒いで、そのことを正しく把握している専門家の意見は無視されていくという構造は変わらないようである。