「如月」という言葉の美しさ

平成17年2月1日(火)
久しぶりの大雪である。日本列島に寒波が押し寄せているようだ。駐車場の車が雪をかぶり前面が凍っていたので水をかけて溶かして前が見えるようにしたが、 このように凍ったのはこの冬初めてのことだった。昼間もずっと雪が舞っており「タクシーに乗っていたら追突されて腰を打ったので診て欲しい」という妊婦さんが来院された。妊娠には問題なかったのでよかったが、こういう日は道路が滑るので実に危険である。
今日から月が替わって二月である。二月は如月(きさらぎ)ともいうが、一年のうちで最も寒いので着物を重ねて着るという意味の衣更着(きぬさらぎ)から起 こったという説と、木や草の芽がはり出す月という意味の木草発月(きくさはりつき)が変化したとする説があるが、いずれにしても風情のある呼び方である。実際最も寒い季節なので、衣更着の説の方を支持したくなる。英語でも二月のことをFebruaryというが一、二と数で呼ぶよりもだんぜんいい。日本の場合は四季に一致して起こったそれぞれの月の呼び方は旧暦のものであり、太陽暦とは約一ヶ月ずれているために実際の季節と異なる時期があるのでやこしい。節分(2月3日)の翌日が立春であるが、旧暦では元旦前後に立春があったという。旧暦の元旦は今の2月の初め頃に相当するから季節としては今の節分に一致する。
いずれにしても歴史に由来した呼び方や言葉はこれからも残るだろうし、残って欲しいと思う。なによりもこれらの言葉は美しいから。