不妊症(検査)

以下の検査を行います。すでに他院で行われていれば、省略することもあります。

  1. 基礎体温測定:朝目覚めたときに婦人体温計で測定した体温です。これをグラフにしてほぼ2週間の低温相と2週間の高温相があれば理想的排卵周期です。低温と高温の差が0,3℃以上あるのが正常です 。かならずしも最終低温日に排卵がおこるわけではなく、上昇期の1~3日間に約75%が排卵します。
  2. 一般精液検査:男性が原因となるものは、不妊の30~40%を占めますからきわめて重要な検査です。精液検査の前には4~7日間の禁欲が必要ですが、長すぎても運動率が低下します。精子の状態はかな り変動しますから、一度だけの検査で異常を指摘されても3回は行ってください。
  3. 頚管粘液検査:排卵日近くになると子宮と膣を結ぶ子宮頚管という管が水様透明な粘液で満たされます。精子は良好な頚管粘液が存在している時に、子宮腔の中に進入できます。
  4. フーナーテスト:排卵日頃の朝性交をし、来院して頚管粘液中に精子が進入したことを確かめる検査です。運動性の高い精子が多く認められれば、有意に高い妊娠率が得られます。精子の進入が多く認 められても運動性が悪い場合があります。一部の女性は、体内に精子と結合してその働きを障害する抗精子抗体を保有していることがあり、免疫性不妊といいますが、その発見のためにも有効です。
  5. 子宮卵管造影:月経直後に行い、子宮に造影剤を入れてX線で子宮の形、卵管の通過性や形態を見ます。通水や通気でも卵管の通過性はわかりますが、造影法が優ります。最近では液体を注入し て経膣超音波で見る方法もあります。
  6. 経膣超音波診断:これは必要不可欠な検査法で、子宮内膜の状態、卵胞の数や大きさの測定、腹水の状態など、重要な検査です。これなくして正確な状態の把握は困難だと言っても間違いありません。

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不妊症(治療)

一般不妊治療の手順は

  1. これから行う検査、治療、見通しを含めた話をします。
  2. ついで検査を行います。LHチェックという排卵日を測定する検査を自宅でやってもらい、タイミングをはかる こともあります。
  3. 状況に応じてクロミフェン療法、HCG療法、必要があればHMG-HCG療法を行い、適宜IUI(人工授精:子宮内へ直接精子を注入する)を行います。
    また、それぞれの不妊原因に対して個別 的な治療を行います。

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