妊娠したかもしれない場合

生理が順調なのに遅れた場合、思い当たることがあれば妊娠を疑います。
最も簡単な方法は、市販の検査薬で妊娠反応を調べることです。
現在使われている検査薬は感度が高いので受精してほぼ2週間で陽性になります。検査に一番適しているのは朝一番の尿です。
妊娠検査薬で陽性を確認したら、月経予定日を1週 間過ぎた頃婦人科を受診したらよいでしょう。なぜなら受精して3週間経つと、超音波検査で子宮内に胎嚢という胎児が育つふくろが見えてくるからです。もし見えなければ子宮外妊娠や他の異常を疑うのです。
また、この頃(受精して3~4週後)からつわりがはじまります。つわりは個人差があり、全くない人から水さえも飲めず嘔吐をくりかえして入院が必要な人までさまざまですが、吐き気、胃痛、食欲不振、便秘、下痢など胃腸症状がおこります。
他にも,乳房の張り、下腹痛、便秘、頻尿などがみられることもあります。生理が遅れていて、これらの症状があれば、妊娠の可能性は高いでしょう。

このページの先頭に戻る

妊娠予定日

妊娠は受精した日から266日目が予定日ですが、受精日がわかりませんから最後の月経の初日から10ヶ月後(280日後)を予定日としていました。
これは多くの人が最終月経初日から14日後に排卵がおこることが多く、その時受精したと仮定すると14+266で 280日となるわけです。
その計算方法では、もし最終月経が同じなら、たとえ排卵日がいつであってもその人たちは全員同じ予定日となり、これは不合理です。
月経の周期は人それぞれ異なりますから排卵日も違います。したがって、排卵日を推定して正確な予定日を決 める必要があるのです。
その方法として、胎児(胎芽)の頭部と体部の区別がつくようになる妊娠8週頃(受精して6週後)から予定日の決定を超音波検査で行います。超音波による胎児の測定の検討から、妊娠週数と胎児の大きさの関係を調べ、それを元に妊娠週数の決定ができるようになりました。これをできるだけ正確にしておかないと、妊娠中期以降になったと きに、胎児の大きさがその週数どおりなのかどうかわからなくなります。また、予定日を過ぎても生まれない場合にお産に持っていくか待機するかの判断に困ります。
以上からも正しい予定日決定は大切なのです。

このページの先頭に戻る

妊娠初期

妊娠は全期間を3期に分けます。妊娠2~4ヶ月を初期、5~7ヶ月を中期、8~10ヶ月を後期といいますが妊娠中期は一番安定している時で、初期と後期が変化しやすく特に気をつける必要があ ります。
妊娠初期は流産が多く、全妊娠の十数%は流産します。これはほとんど一定の確率で起こるもので、残念ながら、この確率を減らすことはできません。逆に言えば、妊卵が正常に育っていれば、たとえ不正出血があっても流産 することはまずありません。不幸にして流産となった場合、皆さん「安静にせず無理したからだろうか」とか、「自転車に乗ったからだろうか」などと自分を責められます。その際いつも私は「それは一切 関係ありません、運です」と言います。
医学が進歩していろいろなことがわかってきましたが、特にはっきりしてきたのは、医学ではどうしようもないことがある、ということです。初期の流産などは、す べてとはいいませんが、ほとんどがどうしようもないのです。
つわりは妊娠2ヶ月半ば頃からおこり、1~1,5ヶ月続きます。食べたくないのに無理に食べる必要はありませんが、スポーツ飲料などを飲むのも良いです。食べられずに嘔吐が続く場合は、電解質、糖、ビタミンなどの点滴が 有効です。
いずれにせよ時期がくればかならず良くなります。薬は飲まないにこしたことはありませんが心配しすぎるのも良くないです。主治医に相談すれば、い いアドバイスをしてくれるでしょう。
予定日が決まったら母子手帳をもらいましょう。母子手帳は妊娠中の経過、お産の記録、赤ちゃんの記録、新生児・乳児健診などを記載する非常に大切なものです。保健所でもらえ、特になにも準備する必 要はありません。妊婦健診が無料になる券などもついています。
この頃に血液検査をします。血液型、血算、感染症検査(種類は病院によりやや違いがある)などで、かならず必要です。

このページの先頭に戻る

妊婦健診

妊婦健診は母子保健法に基づいて実施され、元来、妊娠中毒症を減らすために始まりました。以前は妊娠中毒症は多かったのですが、今では生活の向上とあいまって随分少なくなりました。
現在は妊娠の経過を観察し、母児ともに健全な状態で妊娠・分娩を終了させるために行われています。
健診は、妊娠初期・中期は4週間毎、24週からは2週間毎、10ヶ月(36週)からは1週間毎に行われます。
毎回調べるのは、体重、血圧、検尿、腹囲、子宮底長ですが随時、超音波検査や血液検査、内診などを行います。
最近ではどこの施設でも、毎回超音波検査をしているようです。実際にはそこまでは必要ないのですが、皆さん喜ばれますのでどの施設でも行っているようです。
母子手帳には健診無料券がついていて、妊婦健診と血液検査など妊娠中ほほすべての検査ができるようになっています。ただし、状態によっては追加の検査(有料)が必要なこともあります。
妊婦さんを対象にした母親学級が保険所やお産する施設で行われています。非常に役にたちますから、必ず受講しましょう。なお、当院では原則妊婦健診は行っておりません。妊娠初期に予定日が決まったら分娩施設に紹介するようにしております。

このページの先頭に戻る

妊娠中絶について

色々な事情があり、妊娠中絶を希望した場合は次のような手順になります

  1. 妊娠の診断:現在の妊娠週数、正常妊娠か、卵巣嚢腫など他の異常がないか、などを調べます。
  2. 妊娠の週数により処置が異なります。妊娠5~11週では静脈麻酔をして中絶手術を行いますが、妊娠12~21週では中期中絶といって、入院してプレグランディンという薬を使ってお産と同じように娩出します。当院では妊娠5~9週の中絶手術を行っています(10週以降の中絶は行っておりません)。
  3. 手術についての説明をして、必要があれば血液検査を行い、手術日を決めます。同意書をお渡しして当日持参してもらいます。同意書には本人の名前(自筆)と印鑑が必要です。配偶者がいる場合は配偶者の名前(自筆)と印鑑が必要です。
  4. 手術当日は絶飲食です。原則は午前9時(場合によっては11時)に来院、子宮口を拡げる操作をした後、静脈麻酔下で中絶手術を行います。10~15分で終わりますが、超音波検査で問題ないことを確認します。
  5. その後ベッドに移って、およそ3時間休んでもらいます。
  6. 意識も覚醒し、痛みもなければ今後の注意事項をお話しして帰宅してもらいます。この時は自分で車の運転などはしないように。その日は自宅安静にすること。
  7. 1週間後に来院してもらい、異常ないことを確認します。この時、希望があればピルを処方します。
  8. 順調にいけば2週間後に排卵しますので、避妊するようお話しします。次の月経は1か月後に来ることが多いですが、遅れることもあります。
  9. 当院での費用は100,000円です。

このページの先頭に戻る

流産手術

流産手術の場合は【妊娠中絶について】とほぼ同じ手順です。
違いは、流産は治療ですから健康保険の適応があることと、母体保護法の指定医以外の医師が行っても、法律違反にならないことです。
また、初期流産の場合は完全に流れてしまっていて、そのままなにもしなくても治ることがあります。
妊娠中期の流産はお産と同じようになり、入院が必要になります。

このページの先頭に戻る