月別記事一覧 2016年8月

ドック・健診でみつかる異常

平成28年8月26日(金)
ドックなどの婦人科健診で異常を指摘されて来院される人のうち、精密検査・治療の必要な疾患のある人はごくわずかで、ほとんどの人は経過観察か何もしなくていい人ばかりである。ドックなどの婦人科健診では子宮頸がん検診がメインであとは内診による診察のみの施設が大半である。
婦人科健診に限らず、ドックなどの健診制度が始まった頃は、早期発見・早期治療が絶対だとの思い込みがあった。ところがこれらの健診をいくらやってみても寿命が延びたという結果にならなかった。欧米では健康診断の有効性を調べるために集団を無作為に2つに分け、一方は健診を行い、他方は健診をせず何か異常があれば来院するようにして10年以上観察した結果、両者の死亡数に差がなかったので健診を行っていない国がほとんどである。
婦人科健診については経膣超音波検査を行っている施設はまだ少なく、きちんと調べるのならこの検査が絶対に必要だろう。子宮頸がん検診についてはリスクのない人は3~5年間隔になっているのが現実である。有効性を上げようと思うなら毎年の健診はやめて3年毎に経膣超音波検査も同時に行うべきだろう。今の健診体制はどう見ても有用とは思えない。

普通の日々

平成28年8月19日(金)
お盆の休みも終わり日常生活に戻っているが、この夏はオリンピックもあり孫たちもいて、あっという間に過ぎてしまっているような気がする。宮島水族館に孫たち5人を連れて行ったり、別の日は川遊びに連れて行ったり結構忙しかった。こういう機会はいつでもあるわけではないので張り切ったわけである。たまたま息子も帰ってきたので我が家には親・子・孫が全員そろったことになる。以前、家族全員が揃うことはそうないだろうと言ったが、思ったより揃う機会が多いのはありがたいことである。
アルコールを控えているので胃の調子は良くなったが、尺八を吹く時間がないのはちょっとつらい。ゴルフと同様あまりこの楽器に向いていないのではと思いながら吹いている尺八であるが、練習しないと一層吹けなくなることがわかるからだ。夏が終わったらまた練習しようと思っているが、こういう普通の日々が貴重なのだと改めて思う。

院内BGM

平成28年8月12日(金)
当院では開院時から院内BGMは有線と契約してどんな音楽でも流せるようにしていた。有線には様々なジャンルの音楽が提供されていて、どれを選ぶか迷うほどであった。結局、面倒なので選んだ一つだけのジャンルをずっと流していたようである。ある時、たくさんの音楽が聞ける有線を契約し続けても流すのは一つだけなので、あまり意味がないことに気づき契約を止めた。代わりにCD30枚を自由に演奏できるプレーヤーを買い、BGMにふさわしいと思われるCDを入れて流すようにした。しばらくは順調に稼働していたが、なにしろ機械によるCDオートチェンジャーであるから、故障するようになった。初めは簡単に修理できていたがとうとう完全に動かなくなった。
エディオンに行って聞いてみたが、この種のプレーヤーはもう製造していないとのことで、いろいろ相談した結果、ウオークマンに音楽を入れて流すことにした。ウオークマンも初期の頃と比べると進化したもので、初めの頃はカセットテープだった音源ががCDになり現在のデジタルメディアプレーヤーになった。標準で3800曲、最高音質で100曲を記録できるようで、CDを一枚ずつ入れ替えていた頃とは隔世の感がある。音質も良いし何よりモーターがいらないので電力消費が少なく、故障しにくいと思われる。便利な世の中になったものだ。

ヨナ抜き音階

平成28年8月5日(金)
尺八の音階は5つの穴をふさいだり開放したりすることで、西洋音階でのドレミソラの5つの音を出すのが基本である。ファとシは穴を少しだけ開けるなどいささか工夫が必要になる。この5つの音階だけを使った音曲をヨナ抜きの曲という。ドレミファソラシをヒフミヨイムナと表していた頃のファとシがヨとナに相当するのでヨナ抜きというわけである。我が国(外来曲も含め)ではこのヨナ抜きの曲が結構あり、それなりにはやり歌になってきた。「丘を越えて」「潮来笠」「港町ブルース」「アメージング・グレイス」「蛍の光」「鳩ポッポ」「箱根八里」「アカシヤの雨がやむとき」「俺ら東京さ行ぐだ」「津軽平野」「アンコ椿は恋の花」こうしてみると新しい歌は少ないようだが、外国でも我が国でも、ヨナ抜きに1音だけヨかヤが入った「星の星座」「おおスザンナ」「おぼろ月夜」「歓喜の歌」などたくさんの曲が親しまれている。 アフリカの音楽でも同じ傾向があるそうで、ヒトが快いと思う音曲(音階)は世界中今日変わらないのだと思う。
沖縄の音階はレとラを抜いた言わばフム抜きであるが、各国にはそれぞれ民謡といえる音楽がありそれぞれの音階で成り立っている。私自身についていえば尺八の音階を順にならすだけで妙に安心し快く感じるのは、自分のDNAの中にヨナ抜きの音階が入っているからだろうかと思うことがあるぐらい自然である。