うなぎ考(2)

平成28年3月5日(土)
以前にも書いたが、そごうにあったうなぎの店「伊勢定」が撤退して以来ずっとうまいうなぎを探している。広島県内はもとより近県でも美味しいとの評判を聞くと早速出かけて試している。どの店もそれなりに美味しいが、好みの問題だろうが「伊勢定」を凌ぐうなぎにはめったに出会えない。小倉「舎田庵」、今治「うなぎや」、松江「山美世」、福山「なか勝」、奈良「川はら」、京都「まえはら」などに行ったが、「まえはら」のうな重は絶品で私的には最高のうなぎである。
広島では「こだに」、「うな月」、「雲海」、「たこつぼ」が美味しいが、気に入っているのは「たこつぼ」のうな重である。ここは三越の地下にも持ち帰りのうなぎとして出していてよく使うけれど、店で食べるのが一番うまい。
今のような蒲焼きになったのは戸時代といわれているが、なんといっても醤油、みりん、砂糖などで店ごとにたれを工夫して作り、開いて蒸したうなぎにしみこませながら何度も焼いて、あつあつのごはんにのせて山椒をふって食べるのは最高である。これに肝吸いと漬物がついて我が国の食文化「うな重」の完成である。うなぎが焼きあがるまで肝焼きでちびちび飲みながら待つのもいいものである。またうなぎが食べたくなった。