超音波検査は聴診器のようなもの

平成27年12月24日(木)
朝、クリニックに到着したらスタッフから「超音波の画面が出ません」とのこと。すぐに調べてみたら本体のスイッチはオンになっているのにモニター画面にはなにも映っていない。これは大変だと調べてみたがわからない。産婦人科にとっての経膣超音波検査はかつての内科の聴診器のようなもので、なくてはならぬものになっている。超音波検査自体は他の科でも行われているが、重要度が産婦人科で特に増したのは経膣超音波検査ができるようになってからである。腹壁から調べる場合は、超音波の減衰が大きいため細かいことはわかりにくいが経膣エコーなら子宮・卵巣は細かいところまでわかる。特に妊娠初期の胎児の状態は侵襲のない経膣超音波検査に勝るものはないといっていい。
以前にも書いたが、かつては内診技術は産婦人科医の最も大切な習得すべきもので、まさに職人芸といううべき先人たちの技術が受け継がれてきたのである。それが経膣エコーのおかげで誰にでも当時の名人芸をしのぐほどわかるようになったのは、まさに革命といってもいいのではないだろうか。そのエコーの画面が映らないとは!幸い電源スイッチのオン・オフで事なきを得たが、早速エコーを増設すべく検討することにした。