一進一退

平成26年10月17日(金)
尺八を始めて10年にもなるとさすがに才能がないことがわかるが、なにしろ吹いていて気持ちいいので続けている。先月、南区民文化センターでのささやかな演奏会で2曲、独奏した。琴なしの独奏は初めてで、録画したものをいただいたので自分の演奏を客観的に見る(聞く)ことができた。自分では出来が良くなかったので見るに堪えないと思っていたが、思ったほどひどくなかったので少しほっとした次第である。その後、他の曲を吹いてみてもなんだか音がよくなったように感じて気を良くしていた。
ところが最近、自分で吹いて録音した音を聞いてみたらやはりダメで、自己評価というものは客観的評価よりも常に高く、ときおり思い出したように正しい評価をするものだと思った次第である。スポーツは勝ち負けがはっきりしているし、試験は点数で評価されるので客観性が高いが、音楽は評価が難しい。だからといって常に正しい自己評価をしていたら吹く気がなくなるだろう。これはすべての芸事だけでなく、ヒトのあらゆる行動について言えるのではないだろうか。